毎日何気なく穿いているスラックスを、もっと美しく快適に穿きこなしてみませんか?
サイズの合わせ方やスタイリングに関する11の疑問にお答えします。
日本で半世紀以上トラディショナルファッションをご提案し続けるニューヨーカーが
スラックスを美しく穿きこなす方法を伝授します。
フィッティング 6つのQ&A
スラックスの正しいフィッティングは、まずウエスト合わせから。
掌ひとつ分のゆとりがあれば、快適に穿きこなせます。
正しい
フィッティング
見た目の目安はタックやポケットが開いていないことと、ベルトを締めてもシワが出ないこと。座ってもお腹に圧迫感がなく、見た目も綺麗です。
掌ひとつ分が
目安になります
ベルトをしていない状態で、自分の掌がちょうど入る程度のゆとりが、ジャストサイズです。
ゆるいと
シワが出ます
ウエストがゆるいと楽には穿けますが、ベルトをした際に写真のようなシワが出てしまい、見た目が美しくありません。ベルトをしていない状態で、自分の掌がちょうど入る程度のゆとりが、ジャストサイズです。
きついと
タックが開きます
ウエストがきついと穿き心地が悪いだけではなく、タックやポケットが開いてしまいます。小さすぎるサイズは見た目も苦しそうで、印象もマイナスです。
ショップで試着の際に迷うのがウエスト位置。
腰骨に合わせて採寸してもらうと、ちょうどよい長さで仕上がります。
正しい
フィッティング
スラックスのウエストが腰骨に当たって止まる位置が正しい位置。歩いてもこれ以上は下がりませんので、美しいラインを保つことが出来ます。
腰骨での合わせ方
ベルトをしていない状態で両ポケットに指を掛け、軽く下方へスラックスを下げます。このときスラックスが止まる位置がベストポジションです。
ハイウエスト
ハイウエストで試着すると、裾上げが実寸より長くなってしまいます。歩くと腰骨の位置までスラックスが下がってくるためです。裾が擦れて壊れやすくなるので注意が必要です。
ローウエスト
ビジネスでのスラックスには相応しくない穿き方です。ローウエストでの着用はカジュアルパンツにとどめましょう。悪い印象を与えないためにも、正しくスラックスを穿きましょう。
スポーツマン体型の方はウエストで合わせるとヒップがきつくなりがちです。
その際はヒップでサイズを合わせて、ウエストを少し詰めましょう。
正しい
フィッティング
無駄な余りやヒップへの食い込みがなく、美しいラインを描いています。野球などのスポーツをされている方は、ヒップが大きいため、まずはヒップでスラックスを合わせてください。
ウエストで調整
ウエストサイズに対してヒップサイズが大きい場合は、ヒップでサイズを合わせて、ウエストを少し詰められます。サイズ調整はショップスタッフが承ります。
ヒップがキツイ
ウエストサイズのみでスラックスを合わせると、体型によってはヒップがきつくなります。穿き心地が悪いだけでなく、ヒップを強調した見栄えになり、バランスが良くありません。
ヒップがゆるい
ヒップが小さい方は逆にヒップが余ってしまいがちです。ヒップが余る場合は、細めのパンツをセレクトするのが正解です。写真のようなだらしないの穿き方は避けたいものです。
ノータックと1タックは好みで選びましょう。
体型をより美しく見せるための選び方をご紹介します。
細めの体型の方に
オススメ
スリムにスラックスを着こなしたい人向き。
ノータックは腰回りがスッキリして見えるため、すらっとした印象を与えます。
タックがあるパンツに比べると腰回りに余裕が少ない為、動きにくい事があげられます。
ガッチリ体型の方に
オススメ
左右に1本ずつタックが入っており、腰回りにゆとりができます。印象としては、ノータックのパンツよりリラックスしたイメージを与えます。
そして腰回りに余裕があるので動きやすい事も特徴です。
ポケットの開きに
注意
ノータックは体型に合っていないとポケットが開いてしまう場合があります。この場合サイズを1つ上げるか、タックのあるデザインに変更することをお勧めします。
タックの開きに
注意
1タックは体型に合っていないとタックが開いてしまいます。この場合はスラックスのサイズが小さいので、1サイズ上を選びましょう。
裾幅のサイズにもよりますが、裾幅20cm程度の標準的なスラックスなら、
シューズのヒール上部から+3・cm程度の部分にスラックスの裾が掛るのが基本になります。
シューズのアッパーの上で1クッション、ヒールの上から3・㎝の部分にスラックスの裾が掛るのが基本の合わせ方。以前はスラックスの裾幅が広かったため、+1.5cm程度が目安とされていました。
シューズのヒールにスラックスの裾が触れるほどの長さは長すぎです。裾がクシャクシャになってしまい、穿き心地の悪さはもちろん、だらしない印象に。また摩擦によって裾の傷みの原因になります。
シューズのアッパーにスラックスの裾が触れない長さは短かすぎます。ソックスが見えてしまい、大変だらしないスタイリングになります。店頭でスラックスをご購入の際は必ず靴を履いて試着しましょう。
裾幅が違うとシューズのアッパーとの接点が変わるため、裾上げにも工夫が必要になります。
写真のヒールとスラックスの裾の位置関係を参考にしてください。
裾幅が細いと、シューズのアッパーの高い位置に裾が当たります。そのため写真のように短めにすると、見た目のバランスも穿き心地も良くなります。
標準的な裾幅(20~22cm程度)の場合は、アッパーで1クッションする長さがジャスト。ヒールから3・4cm程度の高さに裾が掛るのも目安になります。
太めの裾幅の場合は、やや長めに裾上げするのがベストです。短く裾上げすると裾幅の太さとのバランスが悪くなるためです。
スタイリング 5つのQ&A
意外と見落とされがちなアイテムがベルトです。
ビジネス用のレザー ベルト を シューズ の色に合わせて選んでください。
正しい
フィッティング
ビジネス用のレザーベルト がベストコーディネートです。バックルはシンプルなものを選びましょう。ベルトは真ん中の穴で留めるのが正式です。ビジネスではベルトの色とシューズの色を合わせるのが基本です。
シューズの色と
合わせる
ビジネススラックスはベルトの色とシューズの色を合わせるのが基本です。ベルト選びはお持ちのシューズの色に合わせてください。
カジュアルベルトは
NG
レザーベルトであっても、カジュアルなデザインのベルトはNGです。スムースレザーや型押しのベルトを選びましょう。
バックルが大きい
バックルの大きいベルトもビジネススタイルにはミスマッチです。シンプルなバックルのベルトをチョイスしてください。
ポケットに物を入れたくなるのが人情ですが、
カジュアルパンツではないスラックスには、何も入れないのが正解です。
ビジネススラックスのヒップポケット(ビズポケット)には何も入れないのが正式です。穿き心地の良さと美しいシルエットをキープできます。
紳士の身だしなみとして、ハンカチーフをヒップポケットに忍ばせるのは◎。センスのよいデザインのチーフなら、ほどよいアクセントにもなります。
スマートフォンや財布などを、バッグに仕舞うのが面倒な時に入れがちです。傷みの原因になるばかりか、シルエットが崩れ、見た目もよくありません。
シングルはドレッシー、ダブルはカジュアルな雰囲気になります。
TPOに合わせて裾上げしてください。
正しい
スタイリング
シングルはビジネスからフォーマルまで汎用性の高い裾上げ方法です。また細めのスラックスにはシングルの方がバランスが良いと言われています。
正しい
スタイリング
ダブルは裾を折り返す仕上げのため、パンツ裾が落ち着いた印象になります。折り返し部分にホコリが溜まりやすいためスナップ仕上げをする場合がありますが、スナップの金具が見えない糸留めだと、お洒落度がアップします。
フォーマルにはシングルで
フォーマルシーンでの裾上げはシングルが正式になります。もちろんビジネススタイルでもOKです。
ジャケットスタイルにマッチ
ダブル仕上げはスーツはもちろん、ジャケットやブレザースタイルにもマッチします。シングルとはTPOに合わせて使い分けたいものです。
スラックスのウエストマン(ベルトをする部分)の幅に合わせるのが正式とされます。
スラックスの裾幅や身長によっても変わりますので、好みが分かれる部分でもあります。
正しい
スタイリング
写真はダブル巾3.5cmの例です。小柄な方や細めのスラックスの場合は、ダブル巾を太くしないのがお勧め。逆に身長の高い方や太めのスラックスの場合は、4cmや4.5cmのダブル巾がバランス良く見えるので、ぜひお試しください。太すぎるダブル巾は足を短く見せる場合があります。
ウエストマンが
目安です
ダブル巾のサイズに迷った時は、スラックスのウエストマンの幅に合わせるのが◎。ニューヨーカーのウエストマンの幅は約3.5cmです。
忘れてはいけない紳士の身だしなみの1つにソックスがあります。
意外と見られるアイテムですので、しっかりしたビジネスソックスをセレクトしてください。
正しい
スタイリング
ソックスはビジネス用を履くのが基本。スネが見えてしまわないよう、ソックスの長さにも気を配って下さい。