RUOKALISTA=フィンランド語で
メニュー(献立)という意味。
SIPULIの"料理"に欠かせない、
厳選された素材は、どこからやってくるのか。
その素材には、どんなストーリーがあるのか。
SIPULIが追い求める
「伝えることのできるものの良さ」
と共にご紹介していきます。
本日のメニューは”AZUMA URAKE”。
アズマ編機を使用して、着心地の良い
裏毛パーカとスウェットをお作りしました。
アズマ編機は、ニットの名産地としても
知られている和歌山県で、
昔から使用されている旧式の編み機。
特集では、 旧式ながら今もなお活躍し続ける
「アズマ編機」にフォーカスして
ご紹介いたします。
シプリらしいこだわりの詰まった、
この”料理”をぜひご堪能ください。
アズマ編機との出会い
アズマ編機の裏毛を最初に知ったのは生地見本。生地に触れたときの空気を含んだような柔らかな膨らみに「吊り編み機で編んだ素材かな?」と思い、生地屋に問い合わせたところ、それがアズマ編機で編まれたものだと教えて貰いました。
この生地の糸番手は30/10というカジュアルな裏毛アイテムによく使用されるような素材にもかかわらず、もちもちとした生地感や、厚さがあるのに柔らかな膨らみと伸縮性に富んでいました。その生地の良さに「ぜひこの編み機で素材にこだわった着心地の良い裏毛トップスを作りたい。」と思い、アズマ裏毛シリーズの企画がスタートしました。
知恵と工夫で独自の生地を生み出す
「アズマ編機」
アズマ編機は、ニットの名産地と言われる和歌山県にあります。旧式の吊り編み機から生産性を重要視する編み機へと変わっていく70年代初期の編み機の一つで、今では現存数が少ない旧式の編み機。回転させながら糸を編んでいく様子は、まるでそこの空間の時間だけが緩やかに変速するように、ゆっくりと編まれていきます。その為1日の生産量は僅か。しかしその分、空気を含んだようにふっくらと柔らかく、使い込むほどに風合いが増す生地に仕上がります。また裏毛は、裏糸をパイル状(ループ状)に編み込み、少し浮かせたタオル地のような生地ですが、アズマ編機は、この裏糸のループが長く、眺めていたくなるような統一感のある美しい裏毛になるのが特徴です。
アズマ編機は、旧式の編み機であるが故に、消耗しやすくメンテナンスの頻度が多くなります。また最新の編み機のように数字やデータで管理が出来ず、熟練者の経験による感覚が要求されるので、非常に扱いが難しい機械です。
それでもなお、旧式のアズマ編機を使用し続ける理由は、編み機を改造し、多種多様なニーズに応えられる独自の編地が作れるようになったことが大きな理由だと生産者さんは答えてくれました。ですので、アズマ編機をお持ちの生産者さんが作る生地には、どれも同じ表情はなく様々な顔があります。また、和歌山の古来からの風習で「古いものを大切に長く使う、工夫して引き継いでいく」という習慣があるそうです。そうして工夫しながらも独自の道を切り開いた積み重ねが、今なおアズマ編機の生地が愛され続ける所以かもしれません。
「スビンコットン」をエッセンスに
企画がスタートしたときに、「スビンコットンをエッセンスに、アズマ編機で編み上げたこだわりの裏毛素材を作ってみたい。」という想いがありました。スビンコットンは、含有される油量が多く、シルクのような光沢とカシミヤのような肌触りが特徴的。インドの一部地域でしか栽培されない希少なコットンです。アズマ編機なら、スビンコットンの良さを十二分に引き出せる裏毛素材が作れるのではないかと考え、特注で編み上げてもらいました。
アズマ編機で編む裏毛生地は、糸に余計なテンションをかけずに編みこまれているので、糸の1本1本が空気を含んで柔らかく、ふんわりとした身体を包み込むような肌触り。スビンコットンの滑らかな風合いに、伸縮性の良さと柔らかなテクスチャーがプラスされ相乗効果を生む裏毛生地に。スビンコットンとアズマ編機の絶妙な掛け合わせが「ぜひ着心地を試してもらいたい」と思えるような、こだわりの裏毛生地を生み出しました。
▼スビンコットンについて、シプリのものづくりコンテンツにて詳しくご紹介しています。
「アズマ裏毛」シリーズではスウェットとパーカの2型をご用意。
定番かつ品質の良い素材だからこそ、長く愛用していただきたいと思い、
素材を良さを生かしたミニマルなデザインとベーシックなカラーで仕上げました。
-
AZUMA URAKE / フーデッドZIPアップパーカ
ハイネック風のフードが特徴的なジップアップパーカ。フードは閉めると首もとが温かく、開けた際には立体感が出るデザインに仕上げました。
-
AZUMA URAKE / フーデッドパーカ
チュニック丈のリラックス感のある フーデッドパーカ。すっきりとした見え感ながらも、実用面で使い勝手の良い脇ポケットを施しました。
-
AZUMA URAKE / モックネックスウェット
1枚でも様になるモックネックスウェット。ドロップショルダーでリラックス感のあるシルエットはアズマ裏毛の柔らかな素材とマッチします。