RUOKALISTA=フィンランド語で
メニュー(献立)という意味。
SIPULIの"料理"に欠かせない、厳選された素材は、
どこからやってくるのか。
その素材には、どんなストーリーがあるのか。
SIPULIが追い求める
「伝えることのできるものの良さ」
と共にご紹介していきます。
本日のメニューは”オニベジ”。
タマネギの外皮に含まれる成分、
「ケルセチン」に着目し、
天然由来の素材を掛け合わせて
様々な色合いの染色を実現させました。
天然成分を活用したオニベジは、
環境共生を実現させる素材でもあります。
そんな環境に配慮した
”オニベジ”をぜひご堪能ください。
オニベジとは
数年前まで、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を染色するには、化学染料でないと染めることが難しいとされていました。そのような時代の中で、天然由来の成分で環境にも配慮しながら合成繊維を染められないかと考え出した結果、出来上がったのがこの素材です。
玉ねぎの皮に含まれる「ケルセチン」という成分の染めた際の色の落ちにくさに着目し、玉ねぎの皮と他の天然素材を掛け合わせて染色することで様々な色合いに染め上げることができました。使用する玉ねぎの皮は、全て国産のものを使用。捨てられるはずだった廃棄物を染料として再利用しています。
オニベジの特徴
玉ねぎ外皮に含まれるポリフェノールの一種“ケルセチン”をはじめ配合される天然成分により、化学染料だけでは表現できない優しい自然な表現を創り出し、年を重ねるたびに味わい深くなる特性を持つオニベジ。草木染めより取り扱いやすく、合成繊維特有の撥水、吸水速乾、UVカットなどの機能性と融合することができる素材でもあります。
現在オニベジは、6種類の天然成分を用いて25色のカラーバリエーションがあり、国内産の原料や、廃棄される天然素材を再利用したものなどを原料にしています。
シプリで使用している天然素材
様々なカラーを展開しているオニベジシリーズの中で、シプリがセレクトしたカラーは、ベージュ、カーキ、ブラックの3色です。ベージュはライス(お米のもみ殻)、カーキはオリーブの葉、ブラックは竹炭を原料にしています。
ライスは、お米が残っていないか確認した後のもみ殻を使用。オリーブの葉は瀬戸内海に浮かぶ離島の小豆島で、実をとったあとの枝葉を剪定するタイミングで調達し染料として利用しています。竹炭は大分県の孟宗竹を炭にして、0.3ミクロンという細かさにまで砕いたものを染料にしています。
小松マテーレで作られたオニベジ
古都の街並みや伝統工芸品、日本海に面した美しい景色など日本情緒あふれる石川県に本社を置く小松マテーレで、オニベジは開発されました。
長い間課題であった合成繊維に天然由来の成分で染めるという技法は、実は会社の食堂で働くスタッフがつぶやいた「白い長靴に野菜の色がついてとれない」という一言をヒントに出来上がったものでもあります。捨てられるはずの国産の玉ねぎの皮を利用したエコな染色技法とナチュラルな発色で、パリで開催されたテキスタイルの国際見本市“Premiere - Vision”(プルミエール・ビジョン)に出展した際には世界中で人気を誇るファッションブランドバイヤーを中心に好評価を得ました。
シプリと小松マテーレ
シプリと小松マテーレとは2014年からのお付き合いです。初めて小松マテーレの東京営業所にSIPULIのデザイナーが訪れてから話が弾んだことをきっかけに、SIPULIのデザイナーと小松マテーレで素材の共同開発も実現させるなど、様々なお取り組みを一緒に行ってきました。SIPULIで過去に展開したパフォーマンスナイロンアイテムもその中の一つで、共同開発で染色方法、透湿防水ラミネートの処方、裏材の選定、撥水処方、などいくつもの要素を一緒に作り込み完成にまで数か月をかけています。
石川県の小松マテーレ本社では、自家発電で工場を回しており、サスティナビリティに20年前から取り組んでいる先進的な企業でもあります。また、グリーンビズという環境共生素材など生地以外にも様々な材質の開発を行っています。
▼小松マテーレ
フィンランド語で「たまねぎ」を意味する「SIPULI(シプリ)」。
何度むいてもむいてもいつまでも新しいものに出会っていく。
「カジュアルな女性らしさ」「知的な審美眼」をコンセプトとして、
2019年AWよりWEB限定展開で始動。
生産者の見えるものづくりを意識し、目に見える「安心」と共に、
自分たちの目と手で納得いくまでつくり込んだオリジナルの商品をお届けしていきます。