HOW TO

Vol.24 浴衣の正しい着方

夏のおしゃれを楽しむための3つの基本


もうすぐ花火大会やお祭りなどイベント満載の夏本番がやってきます。日本の夏をより一層楽しむならば、今年こそは「浴衣」デビューしてみてはいかがでしょうか?とはいえ、浴衣の着方がわからない、どうすればいいの...といった声もちらほら。そこで、今回は浴衣に必要なアイテムや帯の結び方、洗濯&保管の仕方まで、手軽に浴衣のおしゃれを楽しめる基本情報をご紹介します。

LESSON 01 浴衣を着るための基本アイテム
コレだけ揃えれば、準備万端!

最初の一歩として、浴衣を楽しむために必要不可欠なアイテムを集めました。これだけあれば粋なトータルコーディネートが完成します。特に女性は美しく着こなすためのアイテムがいくつかあり、一見しただけではわからないその使い方もご紹介します。

01
浴衣

素材は伝統的な綿100%やリネン100%のものの他に、化学繊維のものも多くあります。天然素材のものは吸湿性もよく、しっかりとケアすれば、長年着用できます。最近は、落ち着いた雰囲気から明るく若々しいものまで、さまざまな柄が取り揃えられ、浴衣を愛用する方が増加中。

02
肌着

汗が浴衣ににじむのを防ぐために、浴衣の下に男女それぞれ肌着を着用することをオススメします。男性の場合、上はVネックのノースリーブ(なければVネックのTシャツ)、下はステテコを着用。女性はブラジャーやショーツの上に和装下着を着用するのがベスト。なければタンクトップなどでも代用できます。

03

着物と並び、印象を左右する重要なアイテム。洗える浴衣とは違い、特に汚れてなければクリーニングなどに出す必要はなく、風を通してそのままタンスなどに入れて保管します。
女性の場合は、帯以外にも帯締をおしゃれのワンポイントとして着用することもあります。

04
扇子

和柄からタータンチェック、和紙やレザー、シルク素材まで種類も豊富。使わない時は、帯に差しておきます。うちわを持つ場合も。

05
下駄

素足で履きます。コーディネートのポイントとして、足下は濃い色を選んだ方が全体が引き締まります。履いたとき、かかとが少しはみ出すぐらいがジャスト。

10
バッグ(女性のみ使用)

ナチュラルな編みかごタイプや素朴な味わいの巾着タイプがよく似合います。男性は通常手ぶらですが、携帯電話や財布などは袖の袂に入れてもOK。

帯を結ぶ前に準備するアイテムとその使い方

06
腰紐(男女とも使用)

裾の長さを調節します。くるぶしが隠れるくらいが理想的。裾の長さと前幅を決めたら、腰紐の中央を右脇に当てて、両端をそれぞれ体を一周させて(1)、体の前中心からやや外した位置で(2)片蝶結びにします。

07
コーリンベルト(女性のみ使用)

衿元を整えます。使い方は、ウエストの高さで浴衣の右衿にクリップで留めて(3)、もう一方の端を浴衣の左脇下の穴(身八つ口)から出して背中を回して(4)、左衿にもう一方のクリップを留めます(5)。

08
伊達締め(女性のみ使用)

脇と胸元をすっきり整えます。結ぶタイプの伊達締めはウエストの位置で、体の前中心に当てて、後ろで交差して前でからげ結びで留めます(6)。マジックテープで留めるベルトタイプの場合は、中央を背中心に当てて前で留めます。

09
帯板(女性のみ使用)

帯にしわができないようにします。ベルトつきの帯板であれば、伊達締めの上からつけます。ベルトなしの帯板であれば、帯を結び終わった後に体の前中心で帯と伊達締めの間に差し込みます。

LESSON 02 基本の帯の結び方
ポイントを押さえて帯結びを手軽に。

浴衣を着こなす上でのキモであると同時に、自分で行うのは難しいと思われがちな帯結び。ここでは、スマートかつ定番の結び方を男女それぞれ1つずつ紹介します。

男結び(貝の口結び)

帯の高さは腰骨あたりを意識しましょう。帯の結び目は背中中央から少しずらし、さっと結んだようなシンプルさが粋な印象を与えます。

STEP01

帯の幅の3倍分の長さを測り、この部分を「手」、それ以外を「たれ」と呼びます。

STEP02

「手」を幅半分に折り上げ、「手」と「たれ」の境目を体中央に当てて「たれ」を胴に2周巻きます。「たれ」を「手」と同寸測ります。

STEP03

余った「たれ」をたれと巻いた帯の間に巻き込みます。

STEP04

「たれ」を上にして「手」と重ねます。

STEP05

「たれ」で「手」を上から巻くようにして結びます。

STEP06

下から出ている「手」を折り上げ、その上に「たれ」を重ねて、「たれ先」を胴に巻いた帯と「手」の間に差し込みます。浴衣の衿元が乱れるのを防ぐために右回りで帯全体を回して出来上がり。

文庫結び

帯の高さは、胸よりも少し下を意識しましょう。左右対称になるように文庫の大きさを調整すれば、可憐な中に凛とした風情のある装いになります。

STEP01

帯の端から50cm程を「手」と呼び、残り部分を「たれ」と呼びます。 「手」を幅半分に折り上げ、「手」と「たれ」の境目を体中央にあて、「たれ」部分を胴に巻いていきます。左右どちら巻きでもOK。

STEP02

「手」の長さが変わらないように注意しながら、「たれ」を胴に2周巻きます。「手」で「たれ」を上から巻くようにして、ひと結びします。

STEP03

「たれ」の先端から肩幅分の長さを両手で持ちます。

STEP04

その長さを基準にして、残りの「たれ」を先端部分が内側になるように重ねて巻いていきます。

STEP05

重ねて巻いた部分の真ん中が体中央にくるように調整して、右手で真ん中をつまんで写真のように二山ひだ(2つの山と1つの谷)を作ります。

STEP06

二山ひだの真ん中部分と帯の結び目を合わせて「手」で巻いていきます。

STEP07

余った「手」の先端部分を帯と帯板の間に入れます。ベルトなしの帯板を最後に入れる場合は、帯と伊達締めの間に入れます。

STEP08

帯の下から「手」を引き出し、しっかりと「文庫」を固定します。帯の下からはみ出した「手」の部分は帯の内側に折り返して収納して「文庫」の形を整えていきます。

STEP09

右手で「文庫」の結び目を持ち、左手で背中心の位置で帯を下から持ちます。帯板も一緒に回らないように注意しながら、浴衣の衿元が乱れるのを防ぐために右方向に回します。左手が体の前中心に来たら、出来上がり。

※ベルトなしの帯板の場合は、文庫を後ろに回した後に、帯と伊達締めの間に入れます。

LESSON 03 浴衣のお手入れ&保管方法
洗い方は意外と簡単。正しく洗って、長く愛用しよう。

食べ物のシミなどの小さな汚れは、応急処置として濡れたタオルでつまむようにして取り除きます。こするのは汚れが広がってしまうのでNG。 汗などによる汚れで、丸々洗う時は浴衣は畳んで、手洗いか大きな洗濯ネットに入れて洗濯機で洗い、陰干しします。長期保管をする際には、カビや虫食い防止のためにのりをかけないように気をつけましょう。


Navigator
地下良枝

「長沼静きもの学院」にて講師歴38年を誇る、着付けの先生。
長年の経験に裏打ちされた、文化に対する深い理解と多様化するニーズに応える細やかな柔軟性を柱に、ラジオ番組出演、 国内外でのテレビ出演、きものショーの演出やポスターの撮影などさまざまな舞台で幅広く活躍中。日本の民族衣裳である 「きもの」 を通し、日々学ぶ姿勢を大切にしているとのこと。

INFORMATION

着物・エステ・ヘアメイク・ブライダルと女性の美に関わるアイテムが集合した「なりたいキレイを叶える場所」として、NAGANUMA bldg.が7月2日にグランドオープンします。「長沼静きもの学院 渋谷校」も同ビル内に移転し、オープンキャンペーンを実施予定!また、全校で浴衣の着付が習える「ゆかた撫子コース」も実施しています。
お問い合わせは、フリーダイヤル 0120-330-911 へ(月~土・祝日9時~20時)