川村真司「出る杭が謳われる都市ニューヨーク」
最初にニューヨークに移ろうと決めたのは、猫に引っ掻かれたから。アムステルダムの運河沿いの家で、いつも窓から入ってくる野良猫を、その日は調子にのって撫ですぎて、シャーって引っ掻かれた。当時はどうやったら世界で勝負できるようなアイデアを考えられるのか、それをどうやったら実現できるのかを知りたくて、世界中のクリエイティブ・エージェンシーを渡り歩きながら武者修行のようなことをしていました。その一環でシンガポールやロンドンを経て、アムステルダムの<180>という会社にたどり着いたのでした。