Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HOW TO
氷雪地帯で生活をしていたアラスカ先住民のイヌイット民族が、アザラシやトナカイなど、動物の皮革でフード付きの上着(アノラック)をつくったのがパーカのルーツ。パーカの語源はロシア北部で使われるネネツ語の「パルカ」で、「動物の皮」という意味がある。スウェット生地は第二次世界大戦などの影響により、当時普及していたウール製の肌着に変わって、コットン製で吸水性の高いウェアの需要が急速に増加した。そのなかでスウェットシャツの応用としてスウェットパーカが生まれ、日本では80年代よりファッションアイテムとして次第に取り入れられていった。
STYLE TIPS
1.Outfits
全体のバランスを整えながらアイテム選びを慎重に。
細かなディテールやシルエットにこだわり、ベーシックなパーカと比べて、より大人っぽくスタイリッシュにデザインされたジップアップパーカ。フード付きのウェアだからといって、カジュアルに取り入れるのではなく、その特徴を活かしてあえて上品な着こなしの上から羽織りたいところ。例えば、ストライプ柄のブラウスやニットポロなど、トラッドなアイテムに合わせることで、柔らかさや程よいヌケ感がプラスされ、固さが上手に中和される。そのときに注意したいのが、足元。コーディネートによりけりだが、パーカにスニーカーを合わせると一気にカジュアルに寄ってしまうので、全身のバランスを見ることが大事。例えば、ニットポロにスラックスを合わせた着こなしでは、カジュアルな要素が少ないため、スニーカーを合わせるのもアリ。
2.Accessories
小振りで華奢なアクセサリーをさり気なくオン。
パーカだからといってカジュアルに合わせない、というのは先述の通り。それでもバランスを取るのが難しいというときは、アクセサリーをプラスして女性らしさを強調するといい。このとき合わせたいのは、線の細い華奢なアクセサリー。例えばコットンパールを使用したものや、小振りなストーンパーツを用いたものなど、素材に軽さがあるものがベスト。今回紹介しているストライプのブラウスにスカートを合わせたコーディネートのように、あくまで脇役といった感覚で、さり気なくつけるのが効果的。眩い輝きを放つゴージャスなアクセサリーは主張が強いためウェアとの相性が悪く、ナチュラルなコーディネートと喧嘩してしまう。あくまで品のある装いを心掛け、コーディネートの邪魔をしないさじ加減が必要。
スーツの正しい着方
ウォーターリネン ジャケット Vol.02