Trench Coat
- トレンチコートについて -
トレンチコートが生まれたのは第一次世界大戦下でのこと。イギリス軍が寒冷な欧州での長い塹壕(=トレンチ)戦に耐えるために、悪天候用の防水コートをつくったのが起源です。その原型となるアイテムは1900年頃に考案され、第一次大戦が契機となり一般にも普及。ミリタリーをルーツとしたディテールは、機能やデザイン共に優れ、1930年代から徐々に日本でも浸透していきました。生地はコットンのギャバジンやウールを用いるのが主流ですが、現在では合成繊維やレザーで仕立てたアイテムも存在します。1964年に誕生した「NEWYORKER」は、ブレザーをアイコンにしつつもトラッドアイテムのひとつとして「トレンチコート」を毎シーズン提案しております。
NEWYORKER TRENCH COAT
価格¥110,000
色ベージュ、グレー
素材表地:コットン67%、ポリエステル33%
裏地:コットン100%
着丈102㎝(9号サイズ)
サイズ7号、9号、11号
Material
コットン×ポリエステルを用いた機能素材“ベントーネ”
生地は、コットンとポリエステルの良さをミックスした機能素材“ベントーネ”を使用。撥水性を備え、雨の多い季節にも気兼ねなく着用できるタフさが特徴です。微起毛でしっとりとした柔らかさのシャンブレー(タテ糸、ヨコ糸が異なる糸色)生地。ベージュカラーは、タテ糸「ベージュ」とヨコ糸「ホワイト」。グレーカラーは、タテ糸「キャメル」とヨコ糸「薄いベージュ」による玉虫調の奥行のある色合いです。
Model
クラシックな雰囲気のあるラグランスリーブとシルエット
1900年代頃の初期モデルではセットインスリーブであったという説もありますが、袖の部分が首回りから斜めに縫い付けられた袖の形状を表すラグランスリーブは、クリミア戦争で活躍したラグラン将軍が右手を負傷した際、簡易な着脱を目的に採用した仕様が起源となりました。今季NEWYORKERは、まるでセットインスリーブのような程よいフィット感のあるラグランスリーブを採用。中にジャケットを着用しても心地よい着用感を実現。シルエットは、身頃を2パネルにすることでウエストの絞りをゆるくし、シャープな印象の縦長Iラインに。
Decollete
オーセンティックなスタイルを踏襲
寒冷地で戦う兵士のためにつくられたトレンチコートは、首元を留めることで防寒の意味を成しました。近年にデザインされたコートは、デザイン性を重視して首元が締まらないものも多いなか、NEWYORKERでは、トラディショナルなスタイルに重点を置き、オーセンティックな仕様にしています。女性の顔映りを考慮し、襟を小さくシャープな印象に。首に沿わせた馴染むようなパターン(型)と職人の手まつりによる柔らかく、しなやかなに仕立てた襟がこだわりのポイントです。
Gun flap & Button
トレンチコートとしての存在感を主張するガンフラップとボタン
トレンチコートに見られる代表的なディテールのひとつが、ガンフラップ。ライフルの銃床を支え、銃を撃ったときの衝撃を吸収する目的で付けられました。肩には伝統的なエポーレットがあしらわれています。トレンチ特有のディテール部分である、エポーレット、バックケープ、襟が堅い印象にならないように、女性らしい丸みを繊細なカーブで描き、やわらかさを表現しました。トレンチコートを印象付けるボタンは、マットな色合い水牛調を採用。側面には、NEWYORKERのロゴが生地と同じ色で施され、さり気なく刻まれたオリジナルボタンです。ひとつひとつ手で付けているため、生地の厚さに合わせボタンの高さを調整することで、着脱しやすく、しっかりとしたこだわりの仕立てです。
Storm shield
機能的に設計されたストームシールド
肩から背中にかけて生地が2重になっている部分はストームシールドと呼ばれます。雨が降った際、雨水がコート内に侵入することのないよう、水滴が落ちるように設計されています。別名、アンブレラヨークと呼ばれることも。通常ヨークのセンター部分にボタンが一つありますが、女性らしさを追求し、丸みを帯びたカーブとボタンの無いシンプルな設計となっています。
Inverted pleats
動きやすさを実現するために与えられたディテール
後身頃の下部にあしらわれているヒダ山は、インバーテッドプリーツと呼ばれ、着丈の長さが邪魔にならないよう足を動かしやすくするために採用されました。イギリス軍の兵士が戦場で馬に乗るときなどに、このディテールが活躍。今季は、裾にステッチを施さないことによるやわらかな美しい裾ラインが特徴です。
Waist Belt & Cuff strap
腹部を引き締め、防寒性を向上させる
ウエストにあるベルトは、締めることで防寒性を高め、腹部の暖かさをキープする役目があります。またベルトにD字の金具がついているアイテムもありますが、それは戦争下において手榴弾をつり下げるためのディテールの名残です。今季のNEWYORKERは、 D字の金具ではなくシンプルなものを採用。バックルはボタンと色を合わせ、統一感を持たせています。袖口ベルトは、ベルト位置を少し高めにすることで長さの調整がしやすく、自身に合わせた袖口幅で締め、スタイリングにニュアンスがつけられるようにしています。
Lining
それぞれのオリジナリティが表れるラインニング
各々のブランドが個性を示すため、トレンチコートのライニングにはチェック柄などの生地を用いることが多く見られます。NEWYORKERでは、オリジナルクレスト柄のキュプラ裏地で取り外し可能なキルティングライナーを採用、やわらかな着用感をプラスしています。また裏地は、強度のあるコットン100%のNEWYORKERのアイコンでもある「ハウスタータン*」を使用し、キルティングライナーを取り外しても、チェック柄を楽しめます。
*2003年に誕生したNEWYORKERのタータン=「ハウスタータン」は、タータン発祥の地スコットランドで世界のタータン柄の認定を行う政府行政機関スコットランド・タータン登記所(The Scottish Register of Tartans)に登録されている正式なタータン柄。
Coordinate
トレンチコートのおすすめスタイルをご紹介
Beige Trench Coat
Pants Style
柔らかいトーンでまとめたロングコート×ワイドパンツは、重量感を感じさせない、軽やかな旬のスタイリングに。ニットとレイヤードした春らしいイエローカラーのシャツは、小さめの襟とオリエンタルな花柄で顔周りを明るくしてくれます。
Skirt Style
ブルーのグラデーションでまとめた爽やかスカートスタイル。カラフルなパンジープリントのスカーフがコーディネートを華やかに。ホールガーメントニットと、ウエストが総ゴムのプリーツスカートは、ストレスフリーでリラックスな着心地。
Pants Style
華やかなピンクストライプのクレリックシャツで女性らしさをプラス。デニムは、センタープレス入りのきれいめデザインで、カジュアル過ぎない大人のこなれスタイルに。春カラーのスカーフを首元にプラスし、気分もより晴れやかに。
Skirt Style
ストライプのバンドカラーシャツにチルデンニットベストをレイヤードした、トラッドスタイル。NEWYORKERのハウスタータンをバイヤス柄で表現したスカートは、裾にかけての広がりがきれいな主役級の一枚。モノトーンの小物は全体を引き締めます。