美人白書

Vol.28 アイビー茜


Dec 24th, 2014

photo_nahoko morimoto
text_noriko oba
edit_rhino inc.

雑誌などで多くの占いコーナーを担当し、今大注目の人気占い師、アイビー茜さん。小学生のころからタロットカードを手にしていたというエピソードから、星座別のファッション観、そして気になる2015年の星座別運勢まで教えてもらいました!

占いの新境地を軽やかに進む、
アイビー茜さんの美の秘訣

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タロットの美術書に7歳で出合う

――アイビーさんが占いと出合ったきっかけを教えてください。

小さいころ絵画教室に通っていたのですが、その教室にデッサンの資料として、鉱物や植物などの図鑑、占星術やタロットの美術書が置いてあったんです。石や惑星など、神秘的で美しい絵を眺めるのがすごく好きで夢中になりました。それが最初の出合いですね。

――まずは絵に魅せられたんですね。

当時友達もいなくて、どうやって人としゃべったらいいか分からないくらいものすごく内向的だったんです。小学校では、ひとりで絵を描いているか、考えごとをしているかっていう…。なので、ますますその世界に入り込んでいったのだと思います。そのうちに実際にタロットが欲しくなって、親に頼み込んで買ってもらいました。7歳のときでしたね。今もそのタロットカードを鑑定で使っていますよ。

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――今お持ちのそのカードですよね。とてもアダルトな絵ですが…7歳でそれを使っていた?

はい。本当、妖艶ですよね。裸とかもバンバン出てくるんですよ(笑)。
ムーンプリンセス妃弥子先生の解説で、BL(※ボーイズラブの略。男性同士の同性愛を題材とした小説や漫画などのジャンル)などでも有名な笠井あゆみさんが絵を描いています。

――もしかしたら、内向的な性格だったアイビーさんが、タロットカードのおかげで一気にクラスの人気者になった…という展開ですか?

いえいえ、まったく。学校に持って行ったら「トランプでもないし何それ?」「なんか怖い」と。先生には「不要物を持ってくるな」と怒られ、タロットが好き、タロットを使っているというのは隠すようになりました。誰を占うでもなく、ひたすら内省のツールとして使っていたんです。

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3つの占いを組み合わせたスタイルで鑑定

――そして、24歳で占い師になりますが、小さい頃から占い師という道は決めていたのですか?

いや、「どうしても占い師になりたい!」というよりは、それしか道がなかったという感じです。大学での就活はまったくうまくいかず、卒業後専門学校でデザインの勉強をして、やっとのことで、化粧品メーカーのインハウスデザイナーとして採用されたんです。これから好きなことを仕事にできる! というときに、すごく理不尽な理由で内定取り消しに合いまして。

泣く泣く別の進路を考えたときに、「自分にできることは、もう占いしかない!」と、今思うと半分ヤケになって決断したような(笑)。それまでは、占いが好きとか、友達によく当たると言われるぐらいのレベルだったのですが、「プロの占い師になる!」と決めてからは、あらゆる本を読み、さまざまな先生のところに行き、徹底して学び直しました。

――タロットについて、勉強し直したのですか?

タロットも含め占い全般ですね。絵画教室で鉱物や植物の図鑑を愛読していたことがすごく役に立って、学習は早かったですね。占星術やタロットに鉱物や植物の知識は必須なんです。

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――アイビーさんのスタイルは、いくつかの占いを組み合わせて行うそうですね。

占いは大きく分けて、命術、卜(ぼく)術、相術の3つがあります。占星術や四柱推命のように生年月日時からその人の生まれ持った性質や運命のバイオリズムを鑑定するのが「命術」、タロットやルーンのように、その日、その場所でしか現れないものを用いて運命を読み解くのが「卜術」、手相や風水などのように、形や姿から運勢を占うのが「相術」です。私は対面の占いで使うのは「命術」と「卜術」です。宿曜(すくよう)占星術と西洋占星術、そしてタロットです。この3つを組み合わせることで的中率も上がり、細かいところまで見ることができます。

――西洋占星術とタロットはよく聞きますが、宿曜という言葉は初めて聞きました。

そうですよね。宿曜はなかなかの占いマニアしか知らないと思います。私がこの占いに22歳のときに出合い、あまりの的中っぷりに衝撃を受けて一気にハマったんですよ。

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月の運行を大切にした“月の占い師”に。

――宿曜占星術とは何でしょうか?

宿曜占星術は、月の運行に基づいて27宿に分けて、それぞれの運命のリズムや対人の関係性を読み解いていきます。この占いに出合って、過去の恋人のことも「宿曜であの相性だから、あんな別れ方したんだ!」と積年の謎が解けた気がしたり、自分のなかで腑に落ちることが多かったです。宿曜占星術がきっかけで“月”について意識するようになったんです。月は女性にとって大切な惑星なんだと。

西洋占星術でも、みなさんがふだん雑誌などで見ているのは“太陽星座”ですが、本当は誰しも“太陽星座”と“月星座”を持っています。私は太陽星座は山羊座ですが、小さい頃から、山羊座の性質を読んでも「どうも違う気が…」と思っていたのですが、あるとき月星座があることを知り、調べたら蟹座。山羊座と真逆の性質をもつ星座だったんですね。それはしっくりこないのも当然だなと、ここでも“月”の重要性を知りました。

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――女性は、月の満ち欠けで感情面も左右されるなども聞きます。

クライアントさんの“月”の運行に着目して、その方の隠れた本性や欲求にアクセスし、そこを活性化できるような占い師になろうと、“月の占い師”と名乗っています。特に宿曜占星術は、人との相性にも重きを置いているので、“縁”を大事にする日本人にすごく合っている占いだと思いますね。まず宿曜占星術で縁や性質を見て、さらに西洋占星術でその方の運命を細かく見ていくというのが私のやり方です。

――3つ目のタロットの役目は何ですか?

たとえば、相手との相性が出たら、タロットはもっと具体的に「相手があなたのことをどういう風に思っているか」という機微を見ることができます。試行錯誤の結果、今のところ、対面式の鑑定はこの3つがベストバランスだと思っています。

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やんちゃ、ゆるふわ…etc.12星座とファッション観

――アイビーさんは、占いといろいろなものを掛け合わせることが得意で、なかでも「占いオシャレ★」が人気です。オシャレと占いにはどんな関連性があるのですか?

西洋占星術では、それぞれの星座にストーリーやモチーフ、カラーなど決まったものがあります。そこからキーワードを拾って連想ゲーム的に広げていくとそれぞれの星座にマッチするファッション観があるなと思ったのです。ただ、「占いオシャレ★」は、この星座はこのファッションをすると運気アップ! というものではなく、あくまでその星座にはこういうイメージが合うというもの。

それに、ファッションは変化していくものですし、いつも同じような装いではおもしろくありません。自分の星座だけを気にするのではなく、たとえば今が12月後半だったら山羊座のファッション観を、2月前半だったら水瓶座の…というように、今の時期の星座に合わせたファッション観を取り入れると、おもしろいと思っています。

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――ちなみにそれぞれの星座のファッション観はどのような感じですか?

牡羊座は、やはり先頭の星座で勢いがありますので、どこかパンキッシュな雰囲気が合います。牡牛座は、五感を大事にする、そしてプリンセスっぽいイメージがある星座なので、“ゆるふわ”ガーリーのようなイメージでしょうか。双子座は、交通や商売、情報などを司る水星を守護星にもちますから、身軽なイメージ。スポーティなファッション観がしっくりきます。蟹座は、イノセントな印象がありますので、ホワイトを中心にしたコーディネートなどが合います。獅子座は、どこかやんちゃガールのような、弾けている感じ。ヒョウ柄などをさらりと着こなしたり。

乙女座は、分析屋さんだったり、緻密な作業なども得意な星座。繊細なレースなどのイメージが浮かびます。天秤座は重さを計る天秤がイメージする通り、AとBのバランスを取る感じですので、モノトーンカラーがいいですね。無機質なものが似合うイメージもありますので、ブロックピアスやカラーブロックのワンピースなどもおすすめです。

それぞれの星座には、対応する身体部位があるのですが、蠍座は子宮にあたります。女性らしい、神秘的、などがファッションでもキーワードになります。深いパープルや深紅などミステリアスガール風のファッションが合います。射手座は、冒険心を持ち合わせたアクティブな星座。スキニーデニムにジョッキーブーツのような旅に出る装いがイメージ。実直で古いものが好きな山羊座は、アンティークのジュエリーやヴィンテージのものがマッチします。

水瓶座は独創性が際立った星、未来感のあるサイケな柄などがイメージです。魚座は、12星座の最後ということもあって、前にある星座11個分のカルマが詰まっているような、言うなればなんでもアリな感じ。基本は柄モノですが、シフォンとかリボンのようにふわふわしたものからアニメのTシャツなども魚座ファッションに合います。

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――12星座それぞれからここまで異なるファッション観を描けるのはおもしろいですね。ほかにも星座×性癖なども興味深いと思いました(笑)

あれは、自信作。心のあり方と性癖はつながっているはずですから、相当真剣に時間をかけて鑑定したんですよ(笑)。まわりからの評判も上々で、「当たり過ぎ!」と驚かれました。

――ほかに占いを通してやってみたい新しいことはありますか?

占い×フェスをやってみたいですね。

――フェス? 野外で占いですか?

占いって確かに神秘的でミステリアスなのが魅力でもあるのですが、その閉じられたイメージゆえに毛嫌いされたり、誤解されたりと、楽しさを分かってもらえていないなと感じています。特に男の人からは理解されないことが多いですね…。なので、オープンな空間で気軽にやる占いがあってもおもしろいかなって思っています。ステージでは「占い×音楽」もできますし、夜は満月の下で願いごとを叶えるワークショップをしたり。占いを通したお祭りを企画したいです。

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人とつながるには、ひとりで過ごす時間が必要

――困ったときの駆け込み寺的な役割もある占いですが、占い好きな人に“上手な占いとの付き合い方”でアドバイスはありますか?

占いは、いい薬にもなるし、反面強い毒にもなるものだと思っています。使い方や距離の取り方を間違えると占いに依存したり、行動ががんじがらめになってしまったりと怖い側面も。占いからいい作用を得ている人の特徴は、“最終的には自分で決める”と思っていること。

――占い師にもいろいろな方がいますよね。なかには、泣かしてしまうほどひどいことを言われたり…。

あぁ。私は、それを“スピリチュアルハラスメント”と呼んでいるのですが、悪いことだけを羅列するなんて、あり得ないですよ。運気にはいいとき、悪いときがあることは確かですが、“ここに気をつければ大丈夫”というような回避ポイントがあるはずで、それを読み解きお伝えするのも占い師の役割だと思っています。

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――占う側は相当エネルギーを使いそうですね…。

最近はないですけれど、始めたころはよく体調を崩していました。自分が快適に仕事をするためには、睡眠時間を確保すること、予定を入れず1日中家にいる日を週に1度はつくることが必要だと分かってからは大丈夫になりました。たくさんのお客様を鑑定をした日は、睡眠時間は、6〜7時間では全然足りなくて、13時間通しで寝ることもざらにあります。

――鑑定をすると相当体力気力を使っているということですね。

大好きな占いを続けていくためにも、自分の時間をもつことを徹底するようになりました。やはり自分の時間がないと人とはつながれないんです。どの仕事もそうだとは思いますが、私も占いをしている時間は、“自分の時間”ではないんですよね。クライアントさんに集中する時間であって、相手とシンクロする時間。そこで上手にコミュニケーションを取るためには、自分のためだけの時間をもっていないと、心身がきつくなってしまうのだということを経験しました。

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――多くの女性と対面しているアイビーさんですが、どんな人を美しいと思いますか?

自分の美しさをきちんと知って、それを上手に運用している人ですね。14歳〜24歳までは、何もしなくてもそのままで美しい“魔法いらず”の時期だと言われています。25歳くらいからは、自分で自分に魔法をかけて美しさを磨かなくてはいけない時期。25歳からが女性が本当に美しい人になれるか否かがわかれると思いますね。先天的な美人じゃなくても、後天的にどんどん美しくなる人は、自分のチャームポイントをきちんと知っているんですよね。

対して、きれいな顔をしているのに美しく見えない人は、「私なんか…」っていう自分の思い込みに縛られて、全然人の意見や褒め言葉に耳を貸そうとしないんです。それって、すごくもったいないですよね。でも、そういう自己肯定感の低さみたいなものも占いで救えるのではないかと思っています。現に私がそうでしたから。

――占いに救われたのですか?

小学校の頃いじめられていた経験があって、しかも容姿のことでそれはもうコテンパンにやられたんです。その時代に占いに出合って、自分を否定したり卑下する気持ちに押しつぶされそうになりながらも「本当の私はこんなんじゃない」と思うことができたんです。実際にそう思っていると、中学に入って部活で自分の居場所が見つかって、最悪の状態から抜け出せたりと、占いに救われたと思っています。実体験からも、自信をもてるツールとして、自分の美しさに気がつくためのツールとしても占いは有効だと思っています。

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アイビー茜さんが占う2015年の運勢!

――最後に、2015年の運勢について教えてください。

まずファッションの傾向ですが、これは木星の運行にも関係があるのですが、2015年は下半期に乙女座に木星が移動します。乙女座らしい、まとめ髪に50年代クラシカルのようなエレガントなファッションがトレンドになると思います。

星座別にお伝えすると、牡羊座は、専門分野を極めていく時期になります。対人関係に関しても同棲をしたり、誰かと深くつながることに縁がありそう。牡牛座は、お金の貯蓄に関してとてもいい時期。年の後半にかけては、これまでに得たステータスのようなものを異文化の人や見ず知らずの人に分配することが運気アップの鍵になります。双子座は、「この人は自分にとって関係ない人」と思っていた、たまに顔を合わせる仕事先の人や男友達…がその後の自分に深く関わるキーパーソンとなるかもしれません。誰とも垣根なく接する事でどんどん運が開けます。

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蟹座は、人のために時間を使うことが増えるなど、損をしてるように感じるかもしれませんが、2015年は出ていくものを手放す放出のタイミング。後半は一転、人に裂いていた時間を減らし、自分の個性を伸ばしていくのに使うといい運勢になります。獅子座は、前半は自分を中心に物事がまわっているように感じるかもしれませんが、ここで調子に乗らない事が大事。後半は、前半の成果をひとりじめせず、自分のことだけに注力しないことに気をつければ大丈夫です。乙女座は、後半から運気が上がっていき、金運も良好。貢ぎ物がもらえたり、紹介の縁があったり“たなぼた”的なラッキーに出合えそうです。天秤座は、情報通になっておくことが自分の身を助けます。少人数コミュニティに注目し、小さいコミュニティにたくさん入っておくことも運気アップの鍵。

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蠍座は、少しくよくよしたり、懐古主義になったりすることがあるかもしれません。同じ人に会いすぎないようにしたり、グチのはけ口にされているなどと感じたらその関係から逃げることも大事です。射手座はモテ期。多数の異性から言い寄られることもありそうですが、フリーならば、求めに応じてノリよく返しておくことがポイント。たとえ恋愛で発展しなくても、のちに仕事で関係したりと縁がつながっていきそうです。山羊座は特に金銭面に関して計画的になる時期。前半は交友関係も広がり投資先も増えますが、計画を立てずに使っていると、のちに困った事態が起きてしまうかも。家計簿をつけるなどをするといいでしょう。

水瓶座は後半にかけて交友関係が開いていきそうです。また“事なかれ主義”を学ぶ年でもあり、人に対して嫌いだと思ったり、よく思われなかったりする場面でも事を荒げずにいたり、相手にしない態度を取ることが大事。魚座は、結婚の運気も強く出ています。パートナーが現れやすい時期ですので、フリーならば、年の前半に3人と付き合って、後半に1人に絞るくらいのイメージでいてもいいかもしれません(笑)。楽しい年になると思いますよ。

――ありがとうございます!


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最後にアイビー茜さんから
“美しくなるためのメッセージ”

鑑定のときは、クライアントの方にぐっと集中してシンクロし、どんな深刻な悩みを抱えている方がいらっしゃっても、一度は“笑顔”になってもらえるよう自分の役割を全うします。対面した相手が心地いいと感じるコミュニケーションを取るためには、私自身の気持ちが安定していることも大事。そのためにも自分だけに没頭する時間をつくっています。私にとってそれは音楽をつくること。音楽を始めて鑑定の精度もあがっている気がします。

今月の美人
アイビー茜

占い師。2014年3月にLINE占いで「ルナディア魔曜占」をリリース後、初日から1週間、売上ランキング1位を独走。 東洋の占術である宿曜占星術を修め、西洋占星術、そしてタロットを組み合わせたオリジナルの占いが話題。占い×おしゃれ、占いにさまざまなトピックスを絡めたものを発信し、特に「占いオシャレ★」は女性から熱い支持を集めている。満月や新月の日にワークショップを行うなど、“月の占い師”としてさまざまな活動を行う。連載も多数もつ。2015年2月4日には初の書籍、『アイビー茜のルナ・モンスター占い』を扶桑社より出版予定。
http://ivy-akane.com/

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