Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HOW TO
知っておかなければならない5つの基本
ビジネスシーンでは欠かすことのできない、スーツの着こなしルールの数々。間違った着方をしてしまうと、せっかくの上質なスーツが台無しです。前回のスーツ講座を踏まえつつ、一歩進んだ内容でご紹介。また、これからのシーズンに役立つ、雨や汗でスーツが濡れた場合のケア方法もぜひ活用してください。
01 フロントボタンの留め方
シングルスーツのフロントボタンは一つ掛けが正解です。また、ボタンの数に関係なく、一番下のボタンは留めません。もともとフロントボタンには「実用」と「アクセサリー」という、2つの役割があります。具体的にはデザイン的な装飾と、留めることによってウエスト周りをすっきりさせ、脚を長く見せるためと言われています。
2ボタンスーツの場合
上のボタンのみを留めます。
段返り3ボタンスーツ
一番上のボタンは飾りなので、真ん中1つのみを留めます。
間違ってもボタンを全て留めないように。スーツの顔が台無しになってしまいます。
ボタンを留めるとき、外すとき。
立っているとき
ボタンを留めるのが基本です。例外として電車のつり革を持つ際はボタンを外します。留めたままつり革につかまると上着を傷める原因になります。
座るとき
座るときはボタンを外します。スーツは立ち姿が前提なので、ボタンを留めたままだと不自然なシワやシルエットが崩れてしまうからです。
ベストを着たとき
3ピーススーツのベストもスーツのボタン同様、一番下のボタンは飾りなので外します。
02 スーツに合わせるシャツ
スーツに合わせるドレスシャツにもルールが存在します。ビジネスシーンではレギュラーカラーが基本。シャツはもともとアンダーウェアという歴史があるので、素材は吸湿性のある上質なコットン100%のものを選ぶのが正統です。
ドレッシーなレギュラーカラー
スーツを美しく見せるレギュラーカラーか、ワイドカラーシャツがオススメです。
ボタンダウンのオックスフォードシャツ
スポーティな印象のオックスフォード生地のボタンダウンシャツは、スーツには不向き。例外として段返り3ボタンスーツには着用OKです。
03 ポケット
清潔感を漂わせ、美しいシルエットを保ちながら着ることがマナーのスーツスタイルにおいて、ポケットにモノを入れるのは言語道断。せっかくのシルエットが崩れてしまいます。ここでは例外としてOKなモノと、NG例をご紹介します。
ポケットチーフ
胸ポケットにチーフを指すのはもちろんOK。挿し方によっては様々なシーンで役立つ装飾の一つです。
ハンカチーフ
パンツのヒップポケットにハンカチーフを忍ばせるのはOKです。
腰ポケット
携帯電話やメモ帳、カードケースを腰ポケットに入れるのはNGです。
04 ベルトの合わせ方
ベルトの色はシューズの色と合わせるのが基本です。シューズが表革ならベルトも表革と、素材や質感も合わせると尚良し、なのです。ビジネスシーンでカジュアルなベルトを巻くこともNGです。
正しい合わせ方
ベルトの色(黒)とシューズの色(黒)を合わせることで、スタイリッシュなイメージに。ちなみに太さは3.5㎝程度を選ぶのが基本です。
色がちぐはぐ
シューズが茶色ならばベルトも基本は茶色を選ぶべきです。
05 ソックスの選び方
意外とルール無用と思われがちなソックス選び。パンツかシューズに合わせたカラーをセレクトしましょう。
正解な色合わせ
黒のスーツに黒のシューズを履く場合は、ソックスの色は黒に限定されます。
不自然な色合わせ
ネイビーのスーツにブラウンのシューズを履く場合はネイビーかブラウンを選ぶのが正解です。(写真は黒色)
雨に濡れた時の対応。
急な雨などで少し濡れてしまった時の、自宅でできる応急処置を伝授します。ビショビショになってしまった場合はすぐにクリーニング店へ持ち込みましょう。
HOW TO
① ジャケット、パンツを別々に室内の風通しの良いところに干し、自然乾燥させる。
② ジャケットは型崩れしないように、ハンガーにバスタオルをかけてから掛けます。また、ドライヤーの熱で乾かす方法は、生地を傷めてしまうのでNGです。水分が残るとカビの原因にもなってしまうので、しっかり乾かしましょう。
③ パンツは、センタープレスが取れてしまうことがあるので、乾いたらプレスしましょう。最近ではプレスが残るように加工されているパンツも多くあります。
汗をかいたときの対応。
HOW TO
① 塗らしたタオルを絞り、生地から汗を吸うようにトントンと叩きます。(汗をかきやすい衿、背中、腰まわりなどを重点的に)ジャケット、パンツを別々のハンガーに掛け、室内の風通しの良いところに干し自然乾燥。
※一日着たスーツをそのままクローゼットにしまうと湿気がこもり、生地を傷めてしまいます。繊維内に侵入したホコリなどをブラッシングで取り除き、風通しの良いところで陰干ししてからしまうようにしましょう。また、スーツは半期に1~2回クリーニングに出しましょう。クリーニングしすぎも生地を傷める原因になるので、自宅でできるケアも忘れずに。
ストール・スカーフの巻き方
基本のアイロンがけ