ヒップホップといえば、今までストラグル（生活に苦労）しながら、ハスリング（騙し合い）にビーフ（抗争）が成功への道だったけれど、今「Major Key」というポジティブなメッセージと花に囲まれたエレガントなライフスタイルで、若者たちのあこがれを一身に集めるヒップホップ史上初のワイズマン（賢者）がいる。DJ Khaledだ。

何かに反抗するかわりに、「どうやって生きるのか？」という疑問を投げかける。写真や動画を共有するアプリ ＜スナップチャット＞をプラットフォームに、“Another One（他にも道はある）”、“ Secure Your Bag（財源を確保しよう）” 、 などミニマルかつポジティブでキャッチーなスローガンを掲げ、“セルフヘルプ（自立心）”をオーディエンスに提唱する。

一方で、最新のスニーカー、いかにも！といったゴールドのアクセサリーを身につけ、Beyoncéとツアーを周りシャンパンを派手にあけるようなヒップホップマナーも備えているから、見た目はハスラー、中身はニューエイジ（！）。オーディオメーカーBang & Olufsenとヘッドフォン＜We the best sound＞をコラボレーションするなど常に新しいアイディアに従事し、最新アルバムのジャケットからは、マイアミの邸宅でガーデニングにいそしむエレガントな一面も伺える。

NasやDrake、 Jay-ZにNicki Minajなど、豪華なラインナップをフィーチャーした最新アルバムのタイトル＜Major Key＞は、アメリカのキッズたちがSNSで使うモチベーションをチャージアップする時のキーワードだ。新しいタイプのヒップホップヒーローは、マネーゲームでもバイオレンスでもドラッグでもなく、家族や仲間を大切にすること、そして花を愛することで作られるとDJ Khaledは体現する。成功へのキーは「あきらめないこと」。「Major Key」は自立へのヒントであり、人生にそえるスローガンなのです。