Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HOW TO
アメリカントラディショナルファッションの代名詞ともいうべきネイビーブレザーは、日本では《紺ブレ》の愛称で親しまれている。その出自に関しては1830年代の海軍の制服、あるいは1870年代のボートレースの選手が着用していたジャケットなど諸説がある。いずれにせよ確かなのはイギリス由来のものであり、時代とともにスタイルを変えながら長く愛されているという点だ。オーセンティックなⅠ型のボックスシルエットに加え、メタルボタンやポケットなどのディティールに、ネイビーブレザーのルーツを感じることができる。
ITEM TIPS
1. Button
チームへの帰属を表すメタルボタン
ネイビーブレザーに用いられるボタンには所属するクラブの象徴である紋章が刻印され、ユニフォームとしての役割を果たしていた。メタルボタンには、エンブレムとともにその名残が見られ、デザイン上も欠かせないディティールとなっている。
2. Pocket
スポーティなパッチアンドフラップポケット
一般的なスーツに用いられるフラップポケットではなく、ネイビーブレザーではパッチアンドフラップポケットが定番。激しい動きを行ってもポケットの中身を落とさないようにと取り付けられた機能的なディティールは、見た目にもスポーティな印象。
3. Stitch
ステッチは伝統の7ミリ幅
ブレザーにおいては、テーラードジャケットなどで用いられるコバステッチではなく、スポーティな印象のミシンステッチがよく見られる。NEWYORKERではネイビーブレザーの定番である7mm幅のステッチを採用している。
4. Front button
段返り3つボタンはアメトラの定番
ジャケットスタイルを左右するフロントボタン。第1ボタンが反り返った“段返り”の3ボタンはアメトラを語る上で欠かせない定番のディティール。通常の3つボタンとは異なり、第2ボタンだけを留めるため、2つボタンジャケットのようなスマートな雰囲気になる。
5. Shoulder
着るものを選ばないナチュラル・ショルダー
薄手の肩パッドに、肩の位置をやや斜め前したショルダーの丸みあるラインは、美しいシルエットを作り出す。肩のシルエットを強調せず、着用する人の体型を選ばないナチュラルショルダーは、ソフトショルダーモデルと呼ばれることも。
6. Welt pocket
胸元はスマートなウェルトポケットで
礼服や背広に用いられるオーソドックスなタイプのウェルトポケットを採用し、フォーマルな印象に。チームのエンブレムを刺繍する場合にはパッチポケットも相性が良く、ネイビーブレザーによく見られるディティールのひとつだ。
7. Vent
トラッドファッションに似合うセンターベント
ベントの位置はその他のディティールとのバランスで決定され、バックスタイルの印象を大きく左右する。シングルのネイビーブレザーと相性がいいのはセンターベントか上部に鍵型のステッチがあるセンターフックベント。後者はアイビーファッションから生まれたもの。
キルトスカート Vol.01
FASHION SNAP “夏のトラッド”をテーマにした10人の着こなし。