Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
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ニワトリが先か、卵が先か。好きになった女性がたまたまモデルだったのか、それともモデルだから好きになったのか。終わりのない答えはさておき、ファッションモデルとばかり付き合う男性を「モデライザー」という。
90年代後半に、アメリカHBO局の人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」のシーズン1のエピソードで登場してから、使われるようになったと言われているが、この言葉に市民権を与えたのが、我らがレオナルド・ディカプリオ。2016年2月に念願のアカデミー主演男優賞に輝いたからか、俳優としてのキャリアよりも、現在どのモデルと付き合っているかばかりが、メディアで取り沙汰されている。
ティーンの頃からモデルと付き合っていたが、2000年頃から約5年間、スーパーモデルのジゼル・ブンチェンと付き合ってからは、もう普通の女子ではものたりなくなってしまったのか、イスラエル出身のモデル、バー・ラファエリ、エリン・ヘザートン、そしてドイツ人のヴィクトリアエンジェルのトニ・ガーンなど、様々なモデルと浮き名を流す。
レオ様が次から次へ、モデルの彼女をつくる度に、「モデライザー」という言葉も、世の中に定着。そして新しいモデライザーが出現! と、世論は他のハリウッドセレブにもその名を冠するように。ミュージックバンドのマルーン5のリーダー、アダム・ラヴィーンもその一人。現在はベハティ・プリンスルーと結婚しているが、以前はモデルたちと交際していた。ジョニー・デップもケイト・モスやヴァネッサ・パラディスと交際し、元祖モデライザーの称号が与えられている。
モデライザーという言葉が浸透しても、モデル女子とばかり付き合う風潮は、残念ながら何年経っても一般人に馴染みはない。「俺ってば、本当にモデライザー!」とは、なかなか使えなさそう。そんなライフスタイルは、ハリウッドとミリオネア限定のもの。そして、そんなモデライザー達をニューヨークの一般女性は「女性を外見で判断する男」と、微妙に冷めた目で見ている。モデライザーと付き合う当のモデルたちのことも、「ルックスだけであまり賢くない女」「かるーい男にお似合いの女」と見る向きも。メディア世界の話はそれはそれ。そのままの自分が美しいと思っている ニューヨーカー女子は、モデルでなくとも、みな自分に自信を持って生きているのだ。
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Azumi Hazegawa
ニューヨーク在住のライター。メンズ誌、カルチャー誌を中心に執筆する傍ら、ホラー映画の『PAN』の製作を手がける。訳書に『The One Hundred』(It Books/2010年)がある。2004年からアメリカに在住。
www.azumihasegawa.com
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