ELECTION AND STYLE

ニューヨークの人々と大統領選

PORTRAIT/佐久間裕美子が出会ったミレニアルズの本音


Nov 8th, 2016

Photo_Lisa Kato
Interview_Yumiko Sakuma

2000年以降に成人となった若者たちを「ミレニアルズ」と呼びます。そんな彼らも今やアメリカの人口の4分の1までを占め、彼らの動きがアメリカの政治や社会の動向を大きく動かしています。ニューヨークの街ゆくミレニアルズに聞いた大統領選への思い。これがニューヨークのリアルです。

Anissa Felix 25才 モデル

バージニア州で教師を務める母に育てられたから、教育、特に低所得層が住むエリアの学校教育が私にとっては重要な問題。アメリカには給食費すら払えないような子どもたちがいて、彼らの将来は教育にかかっているのに、大統領選挙ではほとんど口の端に上らない。

Jarvis Manning 29才 俳優

言論の自由はとても大切なことだけれど、言論が憎しみに満たされるのを見ているととてもつらい。多くの人がアメリカから憎しみはなくなったと思っているけれど、それは間違い。フェイスブックも、スピーチも、ニュースも見ることができなくなった。この国の一部に存在する憎しみはリアルだから。

Isaiah Warlsh 30才 広告会社勤務

政治広告を作る仕事をしているので、両陣営がクライアント。どっちの候補も未来のエネルギーや、社会保障といった僕らミレニアルの懸念には答えていない。ミレニアルの人口ブロックを考えると、次の選挙でアメリカはより進化するのではと期待している。

Andy Fowler 24才 編集者

前回の選挙のときは若かったし、それほど関心はなかった。けれど、移民や女性といった特定の人口グループに対するトランプ候補の態度に、選挙に行こう、と思うようになった。大人になりつつあるということもあるかもしれない。個人的に関心のある争点は、大学に行くために若者たちが抱える負債の問題。

Seth Schonberg 24才 学生

僕にとって重要な争点は外交。もうこれ以上、戦争が起きるのは嫌だし、国同士が争うのを見たくないから。次に重要なのは公民権。僕はアッパー・ミドル・クラスの白人で、自分の権利のために立ち上がる必要はないけれど、マイノリティも、女性も、誰もが平等であると思うから。

Sophie Heselgrave 23才 書店員・アーティスト

予備選まではバーニー・サンダースを支持していたけれど、今はヒラリー・クリントンに投票する気持ちになった。環境問題がとても心配で、ノースダコタで起きているパイプラインの問題や、エネルギー使用の問題が一番気になる。次に重要なのは、機会均等。最低賃金を上げて、教育のコストを下げてほしい。


NEWYORKER LOUNGE #1

アメリカの文化と社会とエトセトラ

〜佐久間裕美子と速水健朗のボクらの知りたいアメリカ大統領選 完結編〜

ニューヨーク大統領選レポート連載を終えた佐久間裕美子さんと速水健朗さんのおふたりによるトークイベントを開催することが緊急決定しました。今回の大統領選から見えてきたアメリカの文化と社会のこと。語り合うふたりを生でみることができる貴重な機会です。お楽しみに。

■開催概要
日時:2016年11月19日(土)18時〜21時(終了予定)
会場:Time Out Café & Diner http://www.timeoutcafe.jp/
東京都渋谷区東3-16-6 リキッドルーム 2F
入場料:無料(会場での飲食はキャッシュオンデリバリーとなります。)
出演:佐久間裕美子、速水建朗

お問い合わせ:株式会社ニューヨーカー お客様相談窓口
info@newyorker.co.jp

※ご予約は不要です。
 お飲物のほか、軽食等のご用意もありますのでお気軽にお越しください。

ご注意事項:会場で用意する席に限りがありますので、立ち見になる場合がございます。また、会場の収容人数に限りがありますので、混雑時に入場規制をする場合がございます。あらかじめご了承ください。

■NEWYORKER MAGAZINEの特別企画「佐久間裕美子と速水健朗のボクらの知りたいアメリカ大統領選」を読んでイベントに参加していただきますと、当日の対談をさらにお楽しみいただけます。

■トークイベントの最新情報は、NEWYORKER MAGAZINEのFacebookからもお届けいたします。

■出演者プロフィール

佐久間裕美子

ニューヨーク在住ライター。1973年生まれ。東京育ち。慶應大学卒業後、イェール大学で修士号を取得。1998年からニューヨーク在住。出版社、通信社などを経て2003年に独立。政治家(アル・ゴア副大統領、ショーペン元スウェーデン首相)、作家(カズオ・イシグロ、ポール・オースター)、デザイナー(川久保玲、トム・フォード)、アーティスト(草間彌生、ジェフ・クーンズ、杉本博司)など、幅広いジャンルにわたり多数の著名人・クリエーターにインタビュー。著書に「ヒップな生活革命」(朝日出版社)、翻訳書に「世界を動かすプレゼン力」(NHK出版)、「テロリストの息子」(朝日出版社)。

速水健朗

編集者、ライター。1973年生まれ。メディア論、都市論、ショッピングモール研究、団地研究など専門領域は多岐にわたる。TOKYO FM「速水健朗のクロノス・フライデー」のメインパーソナリティ。著書『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』(朝日新書)、『1995年』(ちくま新書)、『東京どこに住む 住所格差と人生格差』(朝日新書)、『東京β』(筑摩書房)など。

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