児玉竜一写真展『すべては空の下』がArt Gallery M84にて、4月4日(土)まで開催しています。
本展では、日本を含むアジア13ヶ国の地域で、建造物の合間から天を仰ぐように空を撮影した作品が30点展示されています。空の写真は数あれど、このような作品群は類をみません。国や土地、建物など、それぞれの違いがあっても空は世界中どこにいても同じ。30点の作品は、「すべては同じ空の下」にあるのだという、写真家 児玉さんが伝えたかったメッセージをより深く感じてもらえるでしょう。
展示風景
── 以下、児玉さんの言葉
初めて台湾を旅したときのこと。
台北で、大規模な防空演習に巻き込まれたことがありました。
そのとき驚きとともに気づかされたのは、距離や文化はごく近しいはずの国々との間にあった心理的な”遠さ”。
実際の距離のうえではもっと遠い国々での出来事よりも、むしろ縁の無い、関係の薄い世界だと感じていたこと。
私が見上げる東京の空と、いつか雨のごとく爆弾が降ってくる恐怖も織り込まれた台北の空。
このときは、その二つが同じ空だとはどうしても思うことができませんでした。
山川異域 風月同天(国や地域により山川の景色は異なるけれど、同じ天を頂く人間の住むところであれば風や月に変わりは無い)長屋王が遣唐使に持たせた文章の中にある、現代風に言えばコスモポリタニズムを1000年以上先取りしたこの言葉を知ったとき、私はそれが本当のことなのかどうしても確かめたくなり、カメラを持って旅に出ました。
台湾での体験から約10年が経過していました。
7ヶ月間アジアの国々を旅して、くる日もくる日も地上から空を見上げ、写真を撮りました。
人々の暮らしや文化、生き方や死に方が、日本とは大きくかけ離れていると感じる国々にも行きました。
しかし、全ては同じ空の下にありました。
■児玉竜一写真展『すべては空の下』
会期:2015年3月30日(月)~2015年4月4日(土) ※日曜休館
時間:10:30~18:30 (最終日17:00まで)
場所:Art Gallery M84
東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
電話:03-3248-8454
入場料:無料
主催:Art Gallery M84
公式サイト:http://artgallery-m84.com/
展示作品数:約30点 ※展示作品は全て購入可能
■児玉竜一 (こだま りゅういち) 略歴
1968年 東京都出身。
2004年 東京綜合写真専門学校卒業
<個展>
2007年 児玉竜一写真展『なにかが』
ギャラリー山口 (東京・京橋)