1980年に発刊された「絵本アイビーボーイ図鑑」「絵本アイビーギャル図鑑」につづく、アイビー図鑑シリーズの決定版ともいうべき第三弾が、34年ぶりに発刊されました。
日本でアイビーファッションが流行したのが1960年代。著者であり本書のイラストを描かれた穂積和夫さんは、それより以前の1950年代末、誰よりも早くそのスタイルを取り入れていたジャパニーズ・アイビーのオリジネーターであり、指南役でもあるイラストレーターです。そんな穂積さんは、今回の発刊に関して「男のファッションは、128ページのこれさえあれば完璧」と話しており、渾身の1冊であることが伺えます。
ベーシックなアイビーファッションの基本からフォーマル、ワーキング・ウエア、プレッピー、和服までを網羅した“懐かしいけど新しい”一冊。それは、スタイルの紹介のみならず、着まわし方や心得、さらには1960年代のアイビーブームに出現したみゆき族~現代のアイビーまで、ヤングファッションの50年が穂積さんによって解説されています。アイビー好きの女性なら、ときおり登場するキュートなキャラクター、アイビーギャルにも注目ですよ。
いちから全て描きおろしたオールカラーの本書。この中で紹介しているアイテム達は、ブランド名や価格の記載は一切ありません。それは「おしゃれはやっぱり自分自身で決めるもの。ブランド名に頼らないで自分の目とセンスで選ぶ自身も必要」という著者のこだわりから。
おしゃれのヒントやスパイスがぎっしりつまった『アイビー図鑑』。ファッション好きな人々の永遠のバイブルになることでしょう。
■The Illustrated Book of IVY 絵本 アイビー図鑑
著者:穂積和夫
本体価格:2,300円+税
発行・発売 有限会社 万来舎 tel:03-5212-4455
■KAZUO HOZUMI WORKS展
出版を記念して、穂積さんの代表作品「アイビーボーイ&ギャル」、建築物や車などの原画や人物画、貴重な過去のグッズ展示を代官山蔦屋書店で開催しています。最新刊でのイラストを中心に、ジグレー(サイン、シリアル番号入り)や、普段使いできるピンバッジ、マグカップ、トートバッグなど、初めて発売するグッズたちがお目見えします。
会期:12月1日(月)~終了日未定
場所:代官山蔦屋書店 / 東京都渋谷区猿楽町17-5
■NEWYORKER MAGAZINEが取材した穂積和夫氏のインタビューも必見です。
■プロフィール
穂積和夫(ほづみ かずお)
1930年東京に生まれる。建築設計事務所勤務のかたわら長沢節氏に師事して絵を学ぶ。メンズファッションのイラストレーションを中心に、クルマ、日本の古建築、ファッション評論など、守備範囲は広い。著書『着るか着られるか』(三一新書 1964)、『絵本アイビーボーイ図鑑』『絵本アイビーギャル図鑑』(講談社 1980)、『大人の男こそオシャレが似合う』(草思社 1991)、訳書『男の着こなし』チャールズ・ヒックス著(草思社1988)、その他多数。