- NAVIGATOR久野 梨沙(ひさの りさ)さん
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服装心理学に基づくスタイリングの第一人者。
大学で認知心理学・色彩心理学を研究した後、大手アパレルメーカーでの商品企画職を経て個人向けスタイリストに。色彩心理を活かした印象コントロールや外見コンプレックスの解消、服装でのモチベーション向上など、ファッションと心理を絡めた情報発信に定評がある。現在、パーソナルスタイリストを養成するマンツーマンスクールの新規入学生を募集中。
http://www.forstyle.biz/fashion_school/
LESSON 01
2015年秋冬の三大流行色
「レトロ カラー」 「ユーティリティ カラー」 「ヴィクトリアン カラー」
TREND COLOR #01 レトロ カラー
ヴィンテージライクな深みのある色。
鮮明で発色の強い色よりも、時の流れによって深みが出たような「レトロカラー」が今シーズンのトレンド。70年代のフォークロアスタイルを彷彿とさせる渋味のある色味です。単色無地で使うと土臭さが強くなってしまうので、民族調の柄など、このカラーリングを擁したパターンを効果的にコーディネートに取り入れたり、差し色として使うのがベター。
- 【 Women 】
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- このコーディネートのポイントはスカート。深くて渋い色味を起毛感のある素材で表現すると、トレンドの着こなしに。トップスはトラッドなチェック柄を取り入れて、上品な要素もミックスすることで都会的に調和されます。
- 【 Men 】
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- オレンジを基調とした暖かみのあるカラーリングは、まさにレトロカラー。コーデュロイのベストを挟んで“フォークロア”のエッセンスを取り入れると、トレンドの要素がより強調されます。タイドアップして、都会的なニュアンスにアレンジするのもおすすめ。
TREND COLOR #02 ユーティリティ カラー
「ミリタリー」と「スポーツ」がキーワード。
機能的かつ実用的な洋服に見られる配色が「ユーティリティカラー」です。ベースになるのは、ミリタリーウェアに見られるカーキやネイビー、深めのベージュといった落ち着いた色合い。そこにスポーツウェアのようなヴィヴィッドなネオンカラーをアクセントに添え、未来的な要素を加えると、スタイリングがグッと旬なものになります。
- 【 Women 】
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- グレンチェックのクラシックなチェスターコートを中心に、モノトーンで組んだコーディネート。そこに鮮やかなレッドのニットでカラーアクセントを加えるだけで、着こなしの鮮度がアップします。スウェットパンツやスニーカーなどを使った、スポーティな味付けもポイントです。
- 【 Men 】
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- ブラックウォッチのチェック柄をメインに、深いレッドのTシャツでアクセントカラーを添えた着こなしは「ユーティリティカラー」を上手に取り入れた好例。アウトドアスタイルというアクティブな着こなしにすると、トレンド要素がさらに強調されます。
TREND COLOR #03 ヴィクトリアン カラー
貴族のような重厚感のあるムードで。
ヴィクトリア朝を思わせるクラシカルなカラーリングが「ヴィクトリアンカラー」。ブラックやダークブルー、渋味のあるワインレッドなど、大人の魅力に富んだ官能的な色が基調になっています。レースやベロアなどの、伝統的かつエレガントな素材のアイテムで取り入れましょう。“グレー系のパステルカラー”を添えると、着こなしが軽やかになるのでおすすめです。
- 【 Women 】
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- 「ヴィクトリアンカラー」を象徴するレッド×グレーの配色が、女性の優美な美しさを引き立てます。ボトムにあしらわれた花模様もクラシカルで◎。ガウチョパンツで快適さを取り入れたり、ニットキャップでカジュアルダウンすることで、よりリアルな着こなしにアレンジできます。
- 【 Men 】
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- 黒に限りなく近い、濃いネイビーが基調。それを、メルトンやフェルトなどの重厚感のある素材で表現して、よりクラシックな佇まいにしているところがポイントです。小さな面積でもいいので赤い差し色を入れると、コーディネートが暗くなりすぎず、立体感が生まれます。
LESSON 02
パーソナルカラーで自分に似合う色と素材を知る。
今シーズンのトレンドカラーを把握したところで、次は上手な取り入れ方を“パーソナルカラー”の視点でレクチャーします。肌や瞳の色、髪の色合いによって4つのタイプに分かれるパーソナルカラー。自分に似合う色や素材を知り、着こなしをより魅力的なものへとレベルアップさせましょう。
▼パーソナルカラーはこちらでチェック
/magazine/howto/vol15/
SPRING TYPE
髪や瞳が茶系で肌の色素が明るく白い人。
瞳や髪の色と、肌の色のコントラストが強い人は、イエローを中心とした明るい色が似合います。でも、秋冬のコーディネートに取り入れるのが難しい、と苦戦する人も多いはず。そういった場合は、素材やテイストでコーディネートを軽やかにしましょう。つまり、“カジュアル感”と“にぎやかさ”を加えるのが秘訣。トレンドカラーの場合、「ユーティリティカラー」が一番マッチしそうです。
- 【 Men 】
- 遊び心を取り入れたジャケットスタイルがおすすめ。カラーネップのカジュアルなジャケットに柄入りのニットタイを合わせて、無駄な力が抜けた着こなしに。ピンバッチをつけたり、ジャケットの袖を捲って動きをだすのも効果的です。
- 【 Women 】
- スプリングタイプには、「柄×柄」が似合うというメリットも。それを最大限に活かしたのが、このコーディネート。カジュアルな太いピッチのボーダーに細かなチェックを合わせて、にぎやかなスタイルにしています。色をたくさん取り入れる、というのもポイントです。
SUMMER TYPE
髪や瞳が黒系で、肌の色素が明るく白い人。
スプリングタイプと同様に、明るい色が似合うのがサマータイプ。中でもライトブルーやライトグレーといった、コントラストの薄い色合いがマッチします。グレートーンを上手に使いこなすのが、お洒落への近道と言えそう。ということで、トレンドカラーでは「ヴィクトリアンカラー」の“グレー系のパステルカラー”を取り入れていきましょう。
- 【 Men 】
- グレーのスリーピース スーツをベースに、「ヴィクトリアンカラー」らしいクラシックなニュアンスを強調したスタイリング。柄を巧みに取り入れて、着こなしに個性をプラスしています。Vゾーンはグレーで統一して、できるだけメリハリをなくすのがサマータイプのセオリーです。
- 【 Women 】
- 顔の近くにレース素材を持ってくることで、色合いは軽やかだけど、どこか気品を感じるスタイルがつくれます。さらに質感がふんわりとした、柔らかみのある素材を取り入れるのも効果的。モヘアニットやファーといったアイテムをどこかに持ってくるだけで、コーディネートに深みがでます。
AUTUMN TYPE
髪や瞳が茶系で、肌の色素が濃い人。
深みのある、濃いトーンのイエロー系カラーがよく似合うオータムタイプは、「レトロカラー」が一番よくなじみそうです。にぎやかで、明るいコーディネートを心掛けると、そのスタイリングはグンと魅力的なものになります。例えば柄を取り入れたり、首周りにボリュームを足したり、起毛感のある素材を使って工夫してみてください。
- 【 Men 】
- ジャケット、シャツ、タイ、ニット、すべて起毛感のある素材でまとめたコーディネート。ジャケットとタイは、ブルー系で合わせていますが、ニットだけアクセントになるようにオレンジを入れて、明るい着こなしにしているところがポイントです。
- 【 Women 】
- グリーンはオータムタイプによく似合う色。サマータイプと違い、質感がはっきりした服を選ぶのも着こなしのコツです。そんなニットをメインに、あえて暖色系のストールを巻いてメリハリのあるコーディネートに。色のコントラストを合わせるだけで、異なる配色でも一体感が生まれます。
WINTER TYPE
髪や瞳が黒系で、肌の色素が濃い人。
瞳の中の白目と黒目がはっきりしていたり、髪が黒くて肌が白い、といったように顔の中でのコントラストが強いという特徴を持つのがウィンタータイプ。そんな人には原色に近い濃いブルー系の色が似合います。淡いトーンのブルー系カラーを合わせて着こなしの中でもコントラストをきかせると、コーディネートがより魅力的なものに。トレンドカラーでは「ヴィクトリアンカラー」がマッチします。
- 【 Men 】
- カジュアルよりも、きれい目のスタイルが似合うウィンタータイプは、ブラックのスリーピース スーツでフォーマルな装いに。チーフやタイは、ワインレッドのような大人の魅力を引き立たせるものをセレクト。特にタイは、目を惹く柄のものを顔近くに持ってくると華やかさがグンと増します。
- 【 Women 】
- ネイビー×レッドで色数を少なめに構成したコーディネート。色を少なくしている分、「柄×柄」でにぎやかさを出しています。シルクなどの光沢感があって滑らかな生地は、エレガントかつクラシックなニュアンスが出て、ウィンタータイプに合わせやすい素材です。
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