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Reading the leading shoes
ロンドン五輪が始まる1週間ほど前だから、1年と少し前のことになるが、Penny Skateboardという通称ビニールクルーザーと呼ばれるプラスチック製のスケートボードを手に入れた。70年代のレトロな雰囲気を現代に継承するこれらのスケートボードは昨年から今年にかけて急速にポピュラーになったが、昨夏は街で見かけることも今ほどは多くなかった。スノーボードは一時期熱中し、毎週山に行っていたこともあったが、スケートボードは初めて。最初は全く勝手がわからず悪戦苦闘したが、5日もするとある程度滑れるようになった。
そのとき履いていたシューズがVANSのERAだ。内羽根デザインのシンプルなシューズだが、スケートボードのための必要最低限のディテールを結集したモデル。特にワッフル状のアウトソールパターンとガムラバーのコンビネーションが、デッキ上で最適なグリップ性能を発揮することを体感できたのは、スケートボードを実際に始めたからこそわかる、大きな収穫だった。
トリックを行うことなく、人気のない道路をクルージングするだけとはいえ、一度スケートボードの楽しさを覚えると、ひと時でもスケートボードと離れるのは寂しいもの。ロンドン五輪出張時も「持ってくればよかった……」と思うほどで、愛知の実家への帰省時は忘れずに持っていった。ところがここで大きなミスが。スケートボード用のシューズを持参するのを忘れていたのである。仕方ないので名古屋に遊びに行ったついでに購入することに。ERAのカラーかマテリアルバリエーションにしようかと思ったが、よりクラシックなVANSの創業モデルであるオーセンティックのネイビーキャンバスにした。元来は#44と呼ばれたベーシックなモデルで、スケートボード専用というよりも普段履きを含むあらゆるアクティビティに対応するキャンバスシューズだったが、その高いアウトソールのグリップ性、耐久性からスケーターたちに愛されることとなったシューズである。
かつてVANSは1足からオーダーメイドも可能で、持込のファブリックでもある程度の耐久性が認められればアッパーに使用してくれたので、星の数ほどのバリエーションが存在するが、個人的にはこのVANSオーセンティックを代表するカラーリングはネイビーだと思う。コンバースのオールスターならホワイトやブラック、アディダスのスーパースターならホワイト/ブラック、ナイキ レザーコルテッツならホワイト/レッド/ブルーというように、そのモデルを象徴するカラーが存在するが、このモデルはなんといってもネイビー。ホワイトもラインアップされているが、ネイビーと比較すると存在感が薄い。
帰省時に購入したネイビーキャンバスのオーセンティックだが、1足あると本当に便利で、スケートボード時はもちろんのこと、さまざまなコーディネートにマッチするので、昨夏以来ヘビーローテーションで着用するモデルとなっている。現在オーセンティックやERAといったバルモラル(内羽根)デザインのVANSは日本で大人気となっているが、この人気は昨年から今年にかけて滞在したロンドン、ニューヨーク、ラスベガス、ホノルル、ポートランドといった都市でもポピュラーだったことを報告しておく。
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南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
パラブーツのシャンボード
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