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Reading the leading shoes
スポーツサンダルという存在が日本市場で知られるようになったのは、ナイキが1992年にACGカテゴリーから発表した「エアデシュート」が大きなきっかけ。リバーラフティングで有名なオレゴン州を流れる川の名前からネーミングされているこのモデルは3本のストラップを装備することで、従来のサンダルにはない高いフィット感やサイドサポートを確保し、スポーツシューズと遜色のない機能性を誇っていた。これに対抗するかたちでリーボックからも「アマゾン」や「ザンベジ」(ザンビア、アンゴラ、ナミビア、ジンバブエ、モザンビークといったアフリカ南部を流域とするアフリカ第四の大河)という河川名からネーミングされたモデルがリリースされ、ヒットモデルとなった。しかしながらスポーツサンダルの元祖はナイキの「エアデシュート」ではなく、一人のリバーガイドが自らの経験から開発した1足のサンダルが、その歴史の始まりである。
1984年、グランドキャニオンの若きリバーガイドが水辺でも滑らない機能性に優れたサンダルを開発し、スポーツサンダル専業メーカーとなるTevaを創業した。同社のサンダルは沢のようなスリッピーな場所でも抜群のグリップ性を発揮。それまで、内部に水が浸入した不快なハイキングシューズやサポート性がほとんどないビーチサンダルで水辺のアウトドアアクティビティに臨むことを余儀なくされていたアウトドアアスリートから徐々に支持を得ることに成功し、90年代になると前述のとおりスポーツシューズブランドがスポーツサンダルの存在をワールドワイドで知らしめることで、Tevaにも脚光が当てられることとなった。
スポーツサンダルの認知度が高まるとマーケットサイズは急速に拡大し、Tevaの売り上げも右肩上がりとなり、プロダクトラインアップも創業当時とは比較できないくらい多くなっていったが、初期のシンプルなタイプに愛着を覚える人も少なくない。筆者もその一人で、ベーシックなデザインのほうがいろいろなスタイルにコーディネートしやすいというのもあるが、スポーツサンダルが進化する過程で外周に壁面を設け、激しく動いた際に足がはみ出るのを防止し、サイドサポートを高めるフットフレームという意匠を採用するモデルが増えていったが、このデザインは一度水や砂が着用面に載ると、外に出にくいという欠点がある。一方でベーシックなフラットな着用面のタイプは、水や砂が乗っても簡単に落ちるのである。
今シーズン、日本で数量限定展開されているオリジナル ユニバーサルはそんな創業当時のプロダクトの面影を残す1足。ブラックなソールユニットに単色のストラップを組み合わせたベーシックなデザインは、アウトドアシーンはもちろんのこと、ストリートシーンでも活躍するだろう。
デッカーズジャパン
電話:03-5413-6554
価格:6,090円(税込み)
NAVIGATOR
南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
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