Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
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HOW TO
フィッシングジャケット(別名/ランディングアウター)とは、その名の通り釣り用にデザインされたアウターを指す。かつては、耐久性と防水性を考慮して、生地にワックスコーティングされたコットンのキャンバス地を採用するのが主流だったが、近年では化学繊維なども多数用いられている。前身頃にはフラップのついた大きめのポケットが多数配備され、可能な限り手荷物を少なくできるように設計。機能やデザインはブランドによってさまざまだが、なかにはゲームポケットと呼ばれるディテールが見られるものも多い。これは釣った魚を入れるためのもので、ハンティングジャケットにも同様のディテールが用いられている。
ITEM TIPS
1.Material
“オニベジ”と呼ばれる特別な染色方法を採用。
クラシックなフィッシングジャケットに用いられる生地は、コットンのキャンバス地が多いが、現在では撥水・透湿性に優れた機能素材を採用したアイテムもある。今回のアイテムはナイロンを使用。“オニベジ”と呼ばれるタマネギや植物性の成分を使った染色方法を採用し、あえてムラのある表情に仕上げて見た目に奥行きをプラスしている。
2.Lining
タウンユースになった裏地の仕様。
ヴィンテージのフィッシングジャケットでは裏地が見られるアイテムが少ないが、こちらのジャケットではタウンユースに向けデザインされているため半裏の仕立てに。ヘビーデューティーな佇まいのなかに品性がうかがえる。総裏と比較して軽量化にも繋がっている。
3.Action pleats
アクティブな動きをサポートするアクションプリーツ。
ジャケット着用時の動作がしやすいように袖の後ろにあしらわれたアクションプリーツは、フィッシングジャケットはもちろん、ノーフォークジャケットやミリタリーのアウターなど、アクティブな用途をもつアイテムに見られるディテール。アクションバックと呼ばれることも。
4.Flap pockets
立体的に仕立てられたフラップポケット。
ポケットについているフラップ(=雨蓋)は、雨水やほこりなどがポケットに侵入しないように取り付けられたもの。主に外での作業用につくられた上着に付与されるディテール。ポケットを立体的にすることで、より多くの物を収納できるようになり、着心地にも影響を与えない。
5.Zip
ヴィンテージを意識したブロンズのジップ。
20世紀前半につくられたフィッシングジャケットでは身頃の開閉はボタンで行なわれていたが、現在は利便性を考慮してジップタイプが主流になっている。こちらのアイテムではヴィンテージを意識したブロンズ色のジップを採用。前立てを比翼仕立てにするなど、細かなディテールに気を配り、トラディショナルな仕上がりに。
6.Game pocket
獲物(=Game)を入れるためのポケット。
ゲームポケットとは、釣った魚やハンティングで仕留めた獲物を入れるためにつくられた大きめのポケット。このアイテムでは後身頃にディテールがあしらわれているが、前身頃に半円形のゲームポケットが付与されているジャケットも存在する。
フィッシングジャケット Vol.02
トレンチコート Vol.01