HOW TO

定番ビジネスアウター 4つの正しい着こなしとNG実例集


photo_masahiro arimoto

ビジネスシーンにおけるアウター選びは、冬のファッションの醍醐味の一つ。と同時に、スーツやジャケットとの組み合わせにより、印象を大きく左右する、重要なアイテムでもあります。ここで紹介する、街でよく見る着こなしNG集を反面教師に、冬のビジネスファッションをアップグレードしましょう。

1.アウターの選び方

見るべきは色と素材

Black | Cashimere
Navy | Nylon
Beige | Cotton
Grey | Melton

ビジネスはもちろん、オン・オフ様々なシーンで使うことを考えると、ブラック、ネイビー、グレー、ベージュといった定番カラーがオススメです。また、防風性、防水性、防寒具としての観点から、肉厚のウールやカシミア、撥水加工されたコットンやナイロンなど、幅広い素材を吟味して、長年つきあう大切な一着として選びましょう。


2.着こなしOK&NG実例集

アウターこそ秋冬ファッションの“顔”

秋冬のビジネススタイルでは、特に注意したいアウターの着こなし。見た目の大部分を占めるから、その着こなし方は第一印象に大きく影響します。各アイテムの特徴を踏まえて、そのOK&NGな着こなしを見てみましょう。

【コートはサイズ感が命】

チェスターフィールドコート

その名の由来は、19世紀に英国のチェスターフィールド伯爵が初めて着たからと言われています。最もフォーマルなコートと位置づけられ、無地ならば冠婚葬祭でも使える気品ある一着。ビジカジでも使えて、幅広く活躍します。

ジャストサイズが鉄則
このコートに限らず、ジャストサイズのファッションは、ビジネスシーンにおける当然のルール。ただし、コートからスーツやシャツの袖が見えないくらいがベスト。メタボ体型をカバーしたい時は、オーバーサイズではなく、縦長のシルエットを選ぶのがオススメです。
大は小を兼ねません
オーバーサイズのダボッとした着こなしでは、だらしなく見えてしまい、ビジネスマンとしては致命的です。スーツの上に着ることを意識するあまり、サイズが大きすぎるアウターを選ばないようにご注意を。

【ジャケットよりも長い丈を】

ステンカラーコート

ビジネスシーンで最もよく見かける王道中の王道コート。オン・オフのどんなシーンでも合わせられるアイテムを選ばない、高い実用性を誇ります。ゆったりとしたラグランスリーブ、ボタンを隠すフライフロントが特徴です。

ジャケットとのバランスが大切
膝上丈の長さこそベストだと言われた時代もありますが、最近はショート丈も人気。ただし、インナーのジャケットより着丈が長いものを選ぶようにしましょう。
アウターの丈の長さに要注意
意外と街でよく見かけるのが、このパターン。ジャケットの裾がアウターから見えてしまうのは、野暮で不格好です。必ずアウター>ジャケットとなる丈の長さにしましょう。

【ベルトで着こなしに差をつける】

トレンチコート

第一次世界大戦でイギリス軍が軍用コートとして使用し始めたのが、その起源。肩のエポレット、右肩の当て布、チンストラップなど様々な特徴を持ち、特に腰回りのベルトは、保温効果とタイトなシルエットを形成する、重要な役割を持っています。

ベルトを締めてスマートに
ベルトをしっかりと締めてタイトに着ると、トレンチコートの特徴を生かした、男らしいシルエットになります。
ベルトは垂らさず、まとめて
ベルトを締めずにだらんと垂らすと、だらしなく見えます。フロントで締めずに後ろで締めたい場合は、ダブルテールバックフロント結びがオススメです。締めるのが煩わしい場合は、ポケットインもOK。

【ビジカジスタイルとベストマッチ】

ダッフルコート

フード付きの起毛素材のメルトンコート。手袋のまま留めたり外したり出来る、フロントの角型トグルボタンが特徴です。漁師のコートを起源として、その機能性に眼をつけた英国海軍が使用することで世に広まったとされています。

起毛素材のアイテムと相性よし
ややカジュアル寄りなダッフルコートに合うのは、ビジカジスタイル。特に起毛素材の上品なジャケットやパンツを合わせると、大人の着こなしになります。
素材の組み合わせにご注意を!
素材感のあるダッフルコートを、光沢のある梳毛スーツに合わせるのは、ややミスマッチ。学生っぽくなってしまう可能性もあるので、避けた方が無難でしょう。

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