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HOW TO
基本的な日常のお手入れ〜収納方法
お気に入りのニットを自宅で洗ったら、びっくりするくらい縮んでしまった......こんな経験、ありませんか? 今回はニット製品の洗い方から収納術、毛玉の取り方など基本的なお手入れ方法をQ&Aでご紹介します。
ニットの代表的な6つの質問
Q1.衣服にドライマークがついていますが家庭用洗濯機のドライコースで洗っていいんですか?
基本的にご家庭では洗えません。
取り扱い絵表示(洗濯表示)に記載のドライマークは、一般的にクリーニング溶剤を使用するドライクリーニング店での洗濯方法を差します。一般家庭洗濯機のドライコースは水を使用し、弱く洗浄する方法を表すことが多いです。両者の違いはクリーニング溶剤で洗うか、水で洗うかの違いであり、ドライマークがついている場合はクリーニング店へお持ちいただくことをお勧めします。
Q2.ウォッシャブルニットと、ドライクリーニングと表記されているニットでは何が違うんですか?
ドライクリーニングの洗濯表示があるもの以外は基本的に洗えます。
ウッシャブルニットは文字通り、洗えるニットということで家庭用洗濯機で洗えます。糸に酸素系酸化剤を使い、特殊な加工をしています。そのため水で洗っても縮みにくく、毛羽立ちもしにくいニットです。洗う時は、型崩れや傷みをなるべく防ぐためにニット用の洗濯ネットの使用をおすすめします。ドライクリーニングの洗濯表示があるものは、クリーニング店へお持ちいただくことをお勧めします。
Q3.ニット製品の型崩れしない、良い干し方を教えてください。
形崩れを防止しながら、陰干しすることが重要です。
できるだけ元に近い形をつくった状態で干せればベストです。代表的な干し方に、平置きとハンガー干しがあります。平置きの場合は、平らな場所にタオルを敷き、形を整えて置きます。ハンガーの場合は1本に吊り下げると重みで伸びてしまうことがありますので、タオルを巻いたハンガーを使い、写真のように2本のハンガーに掛けて干しましょう。どちらも陰干しすることが鉄則です。
Q4.毛玉ができないようにするにはどうしたらいいですか?
残念ながら、ほぼ毛玉は発生してしまいます。
連続しての着用を避けて、ニットを休ませると毛玉の発生を遅らせることが可能です。ちなみに毛玉の発生は摩擦が原因。着用時はもちろん洗濯時やカバンなどと擦れることも原因のひとつです。そのためにもニット同士の重ね着、過度の摩擦は避けるように注意しましょう。
Q5.できてしまった毛玉はどうしたらいいですか?
ハサミ、または市販の毛玉取り機を使いましょう。
よく、手で引っ張る方がいますが、糸もそのまま伸びてしまいますし、同じ箇所に毛玉が発生してしまう要因になります。発生した毛玉は、ハサミまたは市販の毛玉取り器で丁寧にカットが好ましいです。ただ、ニットの素材や状態、太さによって一概に言えないので、購入したショップに問い合わせるのが安全です。
Q6.収納時の注意点はありますか?
ハンガーに掛けての収納はニットが伸びるのでNGです。
引き出しタイプの収納ケースに、写真のように平置きか丸めて収納すると、シワにならずベスト。防虫剤を入れる際はケース下に置かずに、収納物の上に置くと虫害防止の効果が高いです。これは防虫剤の成分が重く、薬剤が下に流れるためです。
意外と知らないニットのこと
01.縮んだニットは伸ばせますか?
ニットに水分を含ませ、スチームを掛け、形を整えることで伸ばすことは可能です。ただし、元々の形にするには、成形用の型が必要になりますので、ショップなどへご相談ください。
02.伸びてしまったニットは戻りますか?
水分を含ませてスチームで加熱すれば、縮めることも可能です。ただし、縮めるにも限界がありますし、形が崩れることがあるのでオススメできません。
03.ニットは何年位着れるものなんですか?
お手入れさえきちんとしていれば何年もお使いいただくことができます。お手入れのポイントはシミ、汚れの早めの除去、適度な水分の補給。ウールのニットの原料は動物の毛なので、人間の髪の毛と同じように考えるとわかりやすいですね。
04.虫食いができてしまったものは直せますか?
修理は可能ですが、ウールのスーツ地(梳毛)と違いニットは織物ではなく編み物です。穴の補修はカケハギ(糸の差し込み)と違い、摘みの補修となるため跡が目立ちやすいです。ちなみに、食べこぼし等の汚れがあると虫食いになりやすいので、汚れは落としてから収納しましょう。
05.ニットに匂いが付いてしまった時の対処方は?
風通しの良い所へ出しておくと、匂いを薄めることができます。それでも匂いが気になるようでしたら、クリーニング店へご相談ください。
06.どの位の頻度で洗うのがいいのですか?
着用頻度にもよりますが、1シーズンに3回くらいが良いでしょう。あまり頻繁に洗いすぎると風合いが損なわれることがあります。収納される前に風通しのよいところに置いておくことをお勧めします。
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