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ルコックスポルティフ エウレカ


Oct 29th, 2014

text_masahiro minai
photo_kazumasa takeuchi

フレンチブランド独自のエスプリが
レトロランニングマーケットで存在感を示す!

ここ数年のスニーカーマーケットにおいて、レトロランニングというキーワードが多用されている。直訳すると懐古ランニングということになるが、専ら指すのは80年代から90年代初期にリリースされたランニングシューズの復刻版であり、あまり70年代モデルはピックアップされてないのが実情だ。そして最も人気の高いブランドはニューバランスで間違いなく、それにアディダスのZXシリーズやナイキのインターナショナリスト、サッカニー ジャズなどの80年代モデルが続くというのが、現在の勢力図となっている。

そしてヨーロッパでは上記に加えて、地元発祥のルコックスポルティフやディアドラといったスポーツブランドのレトロランニングシューズもポピュラー。特にルコックスポルティフは9月中旬に訪れたフランスのボルドー市街地でも頻繁に見かけ、フランス随一のデパートであるギャラリー ラファイエットでもいくつかのアイテムが展開されていたのである。

フランスの国の象徴である鶏をブランドロゴに冠するルコックスポルティフは、その創業以来の長い歴史において、アディダス フランスがオペレーションを行っていた時期がある。そんな80年代にリリースされた高機能モデルである、このエウレカを始めとしたランニングシューズコレクションは、アッパー、ミッドソール、アウトソールといった各パーツにアディダス マイクロぺーサーや前述のZXシリーズとのデザイン上の共通点を見ることができる。

しかしながらカラーコンビネーションや細部のディテールにはフランスのブランド独自の主張や雰囲気も感じることができ、ボルドーのシューズショップ フットロッカーのスタッフは、「いまだにフランスブランドの独自性を失っていないところに共感し、たまに履きたくなる!」と言っていたのが印象的であった。アメリカや日本と同様に、フランスにおいてもナイキやアディダスといったビッグブランドが高いシェアを誇っているが、一方でルコックスポルティフのようなブランドがいまだに健在なのは、ちょっぴり嬉しかった。

(問い合わせ先)
ルコックスポルティフ原宿店
電話:03-6418-0588
価格:9,500円+税

Navigator
南井 正弘

1966年 愛知県西尾市生まれ/フリージャーナリスト、ランニングギア・マスター編集長 スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

アルフレッドサージェント サイドゴアブーツ 2960

リーガル ウィングチップシューズ 2235


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