Reading the leading shoes

L.L.ビーンのブルーチャー・モック、レザー


Jun 25th, 2014

Text_Masahiro Minai

ポートランドという地名は世界中にいくつも存在するが、最も有名なのはオレゴン州のポートランドで間違いない。オレゴン州最大の都市にして、全米の住みたい街ランキングの上位にリストアップされるこの街は、最近ファッション誌にも頻繁にとりあげられるなど、日本でも急速に注目を集めるようになっている。

しかしながらオレゴン州のこのエリアがポートランドと呼ばれるようになったのは、この地を開拓した男の一人がアメリカ北東部メイン州ポートランドの出身だったからだということはあまり知られていない。

メイン州は日本人にとってあまりメジャーな存在ではないので、メイン州のポートランドと聞いてピンとこない人も多いかもしれないが、誰もが知る、とあるアウトドアブランドに関連があると聞けば、親しみが湧くはずだ。

それがご存知、L.L.ビーンである。キャンバス製のトートバッグ、メインハンティングシューズなど不朽の名作をいくつも発表してきており、このブランドの本拠地が、メイン州のポートランドに近いフリーポートという街にある。

1991年、出張でフリーポートを訪れた筆者は L.L.ビーンの直営店でショッピングをする機会があったのだが、とても興味深い光景に出くわした。それは老齢の職人が店頭で、ある商品をつくっている姿だった。この時つくられていたのがハンドソーンモカシンと呼ばれる手縫いのモカシンシューズである。

現在 L.L.ビーンのラインアップにおいてアメリカ製のプロダクトは少なくなり、このハンドソーンモカシンも海外生産となっているが、当時の雰囲気をしっかりと継承し、今も展開しているのは嬉しいところ。ただ単に継続展開するだけでなく、フィット感とクッション性に優れたインソールを装備するなど、23年前の製品よりも快適性を向上させている点も評価すべきであろう。

L.L.Beanカスタマーサービスセンター
電話:0120-81-2200
価格:¥11,429+税

NAVIGATOR
南井正弘

48歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。

ビルケンシュトックのボストン

キーンのシャンティ


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