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Reading the leading shoes
シューズ業界、それもドレスシューズやカジュアルシューズに精通している人ならイタリアの靴の産地としてマルケ州のことを知っているだろう。
イタリア半島はブーツに例えられることが多いが、そのふくらはぎ部分に位置するマルケ州は、トッズを始めとして数多くのブランドが生産拠点としているイタリアシューズ業界の中心地。特にモンテグラナーロという町にその多くが集中している。
一方でクライミングブーツを始めとした登山靴やスポーツシューズに関してはイタリア北部のベネト州のモンテベルーナが有名。
当初は登山靴の生産で知られていた地域だが、のちにサッカーシューズなど他カテゴリーのスポーツシューズも製造されるようになっていった。
筆者は2006年1月にナイキのサッカーシューズの開発拠点と生産工場のあったこの地を訪れたが、その最新テクノロジーを駆使した生産設備に感動したものであり、当該施設は販売品の製造以外に契約プレーヤー向けのカスタムシューズの製造も行っていたので、ロナウジーニョ、中田、稲本の日本代表プレーヤーといった契約選手のラスト(木型)が保管されていた。
前述のようにサッカーシューズの生産は最新設備が活用されるが、反対にモンテベルーナで生産される登山靴の多くは伝統的な職人技に頼る部分が大きい。日本のシューズ市場でイタリア製トレッキングブーツというと最近ではファッションシーンでも人気となっていることから、メレルのウィルダネスあたりが最もポピュラーかもしれない。
この昔ながらのノルウィージャン製法で造られるクラシックモデルは、現代の最新トレッキングブーツと比較すると一部機能は落ちるかもしれない。
特にミッドソールにポリウレタンやEVAといった合成樹脂のフォーム素材を使用したモデルと比較するとクッション性は明らかに劣る。しかしながら耐久性、安定性といった分野では最新モデルと比較しても、それほど遜色ない。逆にそのベーシックながら完成されたデザインは、カジュアルシーンでもカッコよくて、登山にももちろん履けるという高い汎用性は、このメレル ウィルダネスの大きな特徴といっても過言ではないだろう。
株式会社丸紅フットウェア
電話:03-3665-0086
価格:¥43,000+税
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南井正弘
48歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
キーンのシャンティ
トレトンのキャンバス