Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
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Reading the leading shoes
一時はトレンドアイテムとして位置付けられたこともあったが、現在ではライフスタイルの一部としてすっかり根付いたムートン素材のフットウェア。その起源は1920年代のオーストラリアにまで遡り、羊毛刈りに従事していた人々が羊の毛皮を足に巻き付けたことがその発祥だという。しかしながら日本において、その存在が一般的となったのは、’90年代に入ってからで、自分が特に印象深いのは、オッシュマンズで大々的に展開されていて、雑誌「fine」などに頻繁に掲載されていたこと。この事実が示すように、ムートンブーツといえば、この当時はサーファーとの関連が強いアイテムであった。
そして1978年にアメリカで創設されたUGG Australiaは、この防寒性に優れたムートンブーツをスタイリッシュにアレンジすることに成功し、ムートン素材のフットウェアのナンバーワンカンパニーとして着実にブランド認知度と売り上げの両方を向上させ、現在に至っている。日本でも同ブランドの着用率はここ数年でかなり高くなっているが、本国アメリカと比較すると、まだまだ遠く及ばない。アメリカでは秋冬シーズンだけでなく、春夏でも同社のプロダクトを履いている人が多いのだ。それはムートンが保温性に優れているだけでなく吸湿速乾性に優れていて、汗をかいてもすぐに乾燥させ、常にサラッとした状態を保つからである。それが証拠に足裏のあたるフットベッド部分にムートンを使用したビーチサンダルは高温多湿の日本でも快適な履き心地をキープし、良好なセールスを記録していた。
そしてアメリカで注目すべきは女性だけでなく、男性の着用率が日本よりもかなり高いということ。今回紹介したアスコットのようなスリップオンシューズやローカットブーツを履いている人を本当に多く見かけるのだ。筆者もアスコットの愛用者だが、その履き心地はスニーカーには劣るものの、一般的なドレスシューズやカジュアルシューズよりも上である。2014年は日本でもUGGを始めとしたムートン素材のフットウェアを履いている人が、現在よりも確実に増えている気がしてならない。
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南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
オニツカタイガーのタイガー コルセア
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