Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
Reading the leading shoes
防水性とデザイン性を高いレベルで融合することでファッションフリークから高い支持を受けるなど、特にここ数シーズン、話題になっているフットウェアコレクションが存在する。例えばアパレルメーカーのノンネイティブと、日本のシューズメーカーであるリーガルのコラボレーションにより完成した、ドレスシューズシルエットのプロダクト群。ウイングチップ、プレーントゥ、ストレートチップ、ローファーのようなトラディショナルなシューズデザインのアッパーに、ゴアテックス メンブレンというフィルムを内蔵することで、防水性と透湿性を兼ね備えることに成功しており、その実用性の高さはファッションフリークのみならず幅広い層に支持されている。
最初にこのコレクションをノンネイティブの展示会で見たときは、その意外性に正直言って「やられた!」と思った。ちなみにゴアテックスとフットウェアの組み合わせというとアウトドアシューズ以外では一昔前にTASというシューズブランドのGREENという外羽根でつくられた、テニスシューズシルエットのモデルが登場しており、カジュアルシーンにおいてもゴアテックスの機能性の高さを体感できたことは記憶に新しい。そしてゴアテックスとシューズを結びつけることとなる1足のアウトドアシューズを忘れてはならない。
ゴアテックスといえば防水性と透湿性を高次元で両立する1969年に発明された高機能マテリアル。アウトドア用のシェルなどアパレルに活用されることが多いが、1976年にはテントに採用され、その3年後には初めてフットウェアにもゴアテックスが採用されることとなった。それがオレゴン州に本拠を置くダナー社のダナーライトである。コーデュラナイロンとレザーのコンビネーションアッパーを使用した当時としては軽量なハイキングブーツであり、悪天候時でもシューズ内部への水の浸入を防ぎ、シューズ内の湿気を外部へと排出することに成功していた。数多くのアウトドアマンから愛用されたロングセラーであるが、日本ではファッションシーンでも高い人気を誇っており、’90年代以降は東京の街角で見かけることは珍しくなく、ブラックカラーなどのカラーバリエーションも登場した。
個人的にはダナーライトはブラウンレザーとサンドカラーのナイロンのコンビネーションアッパーのモデルがなんといってもマッチしていると思う。このカラーリングはあらゆるアウトドアスタイルにマッチし、夏季にはショーツともピッタリであるが、これがブラックバージョンだと意外とコーディネートが限定される。
グリップ性と耐久性に優れたビブラム社製のアウトソールも適度な重厚感を与えることに成功している。30年以上前にリリースしたモデルだけに最新のアウトドアブーツと比較すれば性能で劣る部分があるかもしれないが、機能美というべき完成されたデザインは本当に美しい。雑誌でよくやる『アウトドアシューズの歴史的名作ベスト10』といった企画では、ほぼセレクトされるのは、そのデザイン面の評価もあるのだろう。「最近履いてないなぁ」という人は、今冬にぜひ久しぶりにトライしてみてはどうだろうか。
(問い合わせ先)
エービーシー・マート
電話:03-3476-5448
価格:44,100円(税込み)
NAVIGATOR
南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
アグのアスコット
ナイキのエア フォース 1