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Reading the leading shoes
ナイキの『エア フォース 1』はスポーツシューズのテクニカルな視点で見ると、1982年に初めてナイキエアを採用したバスケットボールシューズだということがいえる。これをファッション視点で見ると、昨今のストリートで最も見かけたナイキのスニーカーだといえるだろう。これは日本のみならず世界中の大都市でも同じで、ニューヨークでも『エア フォース 1』はポピュラーな存在である。
ニューヨークを拠点にDJ、バスケットボールプレーヤー、コラムニストetc……、マルチな才能を発揮するボビート・ガルシアもそんな『エア フォース 1』を愛する一人。2007年に誕生25周年を記念して『エア フォース 1』の数々のカラー&マテリアルバリエーションが発表され、様々なマーケティングプロモーションが東京でも行われたのだが、彼は新木場ageHaでのDJプレイ、アメ横センタービルでのトークショーなどのために来日。『エア フォース 1』に対する熱い想いを語ってくれた。
ちなみに『エア フォース 1』はニューヨークの一部の人に「アップタウン」の愛称で呼ばれているが、これは’80年代にアップタウンのとあるショップが『エア フォース 1』に特に注力していて、ここを発信源としてポピュラーになったという事例があったから。これ以外にもニューヨークという街は『エア フォース 1』と密接な関係があり、そのひとつがエスニックパレードモデルの存在だ。
多民族国家といわれているアメリカ合衆国においてもニューヨークのそれは群を抜いている。人種のるつぼという言葉がまさにあてはまり、この地では6月に行われるプエルトリカン・ディ・パレードを筆頭に、各移民のパレードが行われている。そして『エア フォース 1』には、このパレード向けモデルが用意されていたのである。カエルの刺繍が印象的だったプエルトリコモデルのほかにドミニカ共和国やウエストインディーズ(西インド諸島)のようなバリエーションも発表された。これらパレードバージョンの『エア フォース 1』は現地でも人気が高かったが、ストリートファッション誌で頻繁に紹介されたことから、日本でも激しい争奪戦が繰り広げられたことは記憶に新しい。そのほかにも「NYC」のロゴが刺繍されたモデルも人気が高かった。
一昨年、昨年、今年とニューヨークを訪れたが、この街ではいまだにバスケットボールシューズが高い人気。これはランニングシルエットがストリートを席巻している日本とは異なるところだ。全世界でチェーン展開を行っているスポーツシューズ専門店のフットロッカーが、HOUSE OF HOOPSというバスケットボールカテゴリーのインショップを積極展開しているように、ジョーダンブランド、コービー・ブライアントやレブロン・ジェームスのシグネチャーモデルも高い人気をキープしている。
もちろん『エア フォース 1』の人気も健在で、ミッドソールをルナロンに変更したルナ フォース 1とともに、ニューヨークのストリートシーンで本当によく見かける。
(問い合わせ先)
ナイキコンシューマーサービス
電話:0120-6453-77
価格:9,450円(税込み)
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南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
ダナーのダナーライト
オールデンのペニーローファー