Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
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Reading the leading shoes
今とは違って引越しといえば友人や後輩総出で行うことも珍しくなかった20年ほど前、ある友人の引越しを手伝ったことがあった。その友人も自分と同じく”衣装持ち”で、これを機会に大量の洋服や靴を友人や後輩たちに譲ることで荷物の整理をしようとしていた。
「そのウォークオーバー2足、サイズが合えば履いていいよ!」友人が自分にくれようとしたのは、アメリカの老舗シューズブランドであるウォークオーバーのダーティーバックスとホワイトバックスであった。いずれのモデルもブルーチャー(外羽根)デザインのベーシックなデザインであり、特にダーティーバックスはコーディネートを選ばずに、デニムやチノパンを始めとしたあらゆるボトムにマッチした。箱を開けるとダーティーバックスは適度に履きこまれていたが、ホワイトバックスはほとんど履いた形跡がなく、踵もあまり減っていない。友人に聞いてみると、ホワイトバックスは気合いを入れたデートのために購入して、一度だけ履いたが、なんだか気恥ずかしくて、それ以来一度も着用していないという。どうりで新品同様なわけだった。
確かにホワイトバックスはシューズ単体で見るととても美しいが、よほどのお洒落ピープルでない限りは、実際にそのシューズを履くシチュエーションというのはあまりないかもしれない。一方でダーティーバックスは、見た目こそそれほどキレイではないが、汎用性が高く、汚れもあまり目立たないから、ヘビーローテーションで履くことができるのである。ちなみにこの2足のシューズは自分にはハーフサイズほど大きかったので、もらわなかった。
あれから20年が経過し、その友人と久しぶりに会う機会があった。昔話に花が咲き、始発まで語り明かしたとき、あの2足のウォークオーバーの話になった。「あのダーティーバックスとホワイトバックスはどうしたの?」と聞くと、ダーティーバックスはその後も履き続け、数年前に新しいのに買い換えたらしいが、ホワイトバックスはあれ以降一度も履くことはなく、新しい主も見つからず、現在も物置に眠っているという。この話を聞いたときに改めて思ったのはダーティーバックスの汎用性の高さ。それと日本のファッションシーンにおいては、ホワイトバックスはなかなか履く機会がないのだな、ということ。しかしながら、この話には続きがあって、ほとんど履くことのなかったホワイトバックスを所有し続ける理由があった。現在彼の妻となっている女性と初めてデートしたときに履いていたのが、このホワイトバックスだったのだ。そんなこともあって、彼はこのシューズを持ち続けていたのである。
ベージュのスエードとホワイトヌバックでアッパーのマテリアルこそ異なるが、トレードマークといっても過言ではないブリック(レンガ)カラーのアウトソールはダーティーバックスもホワイトバックスも共通の仕様。これからの季節にはコードレーンやリネンのジャケット、ショーツと組み合わせても面白いだろう。
HIGH BRIDGE INTERNATIONAL
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価格:29,400円
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南井正弘
47歳/愛知県出身/靴に詳しいフリージャーナリスト
「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日のランニングを欠かさないファンランナー。
アイランド・スリッパのアイランドプロ
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