スタイリッシュに雪道を歩くなら
歴史あるラバー製ブーツを!
数年に一度、東京においても大雪が降ることがある。そんなときにいつも「買っておけばよかった…」と後悔するシューズがある。L.L.ビーンのビーンブーツである。ラバー製のボトムとレザー製のアッパーを組み合わせたこのモデルは元来、写真にあるメイン・ハンティング・シューズと呼ばれたモデルのアレンジバージョン。
このメイン・ハンティング・シューズは、不整地における狩猟時でもハンターの足を守ることで知られた歴史的な名作で、現在も同社の本拠地があるアメリカはメイン州において製造されている。基本的な設計は1912年の登場以来、100年以上変更されておらず、透湿性などは最新のアウトドアシューズと比較すると明らかに劣るが、防水性は現在でも十分なレベルにある。
このシューズを購入したいと思ったのは今から32年前の高校2年生のこと。雑誌ポパイにおいて頻繁に登場しており、プレッピースタイルのマストアイテムとして、ボタンダウンシャツ、ノルウィージャンセーターなどとともに紹介されていた。
当初はファッション的な視点で「カッコいい!」と思っていたが、翌年受験のために東京を訪れると大雪の後で、歩道に積もった雪で何度も足をとられて転倒しそうになった。愛知県で生まれ育った自分にとって、ここまで雪が積もっているのを見るのは初めてのことであり、雪上での正しい歩き方も知らなかった。そんなときに御茶ノ水の坂を、スイスイ歩く受験生の足元に見つけたのがL.L.ビーンのブーツ。チェーンを模ったアウトソールパターンは、雪の上でも高いグリップを発揮していた。
これを見て受験の合間に、当時の取り扱いショップであったソニープラザへと向かったが、同じ考えの人は多かったらしく、完売状態で結局買うことはできなかったのである。
あれから30年以上が経過し、何度も購入のタイミングを逸し、その間一度もこのモデルを履くことはなかった。最近になって某ブランドの最新スノーブーツを手に入れたことによって、「今年もL.L.ビーンのブーツは買わないな…」と思ったが、この最新スノーブーツは、ハイテクシルエット過ぎて、コーディネートが限定されることに気付いた。
反対にL.L.ビーンのプロダクトは、アウトドアファッションはもちろんのこと、ジャケットスタイルにもマッチするなど、ファッション的な汎用性は高い。そのことに気付いた今年こそL.L.ビーンのこのタイプを買おうと決意した。それも他人とのバッティングが気になるビーンブーツではなく、履いている人の少ないメイン・ハンティング・シューズの方を。
(問い合わせ先)
L.L.Beanカスタマーサービスセンター
電話:0120-81-2200
価格:19,048円+税