適度なヴィンテージ加工を施して
ファッション上級者にもマッチする!
スニーカーの履きこなしに関して印象深い映画のワンシーンがある。それがスパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』の中で登場人物のバギン・アウトが履いていた白のエアジョーダンIVを、NBAのボストン・セルティックスのプレイヤー、ラリー・バードのユニフォームを着た白人青年に汚されて怒りまくる場面だ。
このようにアフリカンアメリカンやヒスパニック系の青年は、自分のスニーカーをキレイに保つことに異様な執着心を示す傾向にある。最近ではJASON MARKKのようなスニーカーケア専用ブランドも登場し、業績も好調だ。
一方でキャンバスシューズなどは「新品状態は恥ずかしくて、わざと汚す!」という人もいるだろう。実際にバンズやコンバースなどのブランドのキャンバスシューズは、履きこんだ状態のほうがカッコいいという意見が多い。そんな状況に反応したわけではないが、2000年代初期にはナイキのバンダル シュプリームにヴィンテージ加工を施したバージョンも登場したのだが、アパレルではすでに一般的になっていた中古加工も、スニーカーの世界では少し早かったようで、それ以降スニーカーのヴィンテージ加工は一般的にはならなかった。
それから10年ほどが経過したある日、千駄ヶ谷のロンハーマンで中古加工されたバンズのスリップオンシューズを見つけ、実際にスケーターが長時間履いたような状態を再現した、その加工技術の完成度の高さに驚いたのと同時に「欲しい!」と思ったものの、2万円を超えるプライスタグを確認して購入を諦めた。しばらくして売り切れたと聞くと、「あのバンズはカッコよかったなぁ…」と、買わなかったことを後悔した。
なぜなら、自分は何十足かのキャンバスシューズを保有しているが、なかなか自分が納得するような状態に育て上げるのは難しいからである。
去年アドミラルの2015S/S展示会を訪問して一通りサンプルをチェックしていると、バルモラル(内羽根)デザインのいい雰囲気のキャンバスオックスフォードモデルを見つけた。イングランド南東部のリゾート地であるブライトンをモデル名に冠した1足は、適度なヴィンテージ加工が施されており、箱から出した瞬間から、あたかも自分自身で履きこんだような状態を演出できるはず。
迷わずオーダーシートにネイビーカラーを1足プレオーダーした。春になって到着したブライトンはパンツにもショーツにも相性がよく、早速ヘビーローテーションで着用している。これからのシーズンはストリートだけでなく、リネンシャツやサマーニット、上質な素材のショーツを組み合わせたファッション上級者のリゾートファッションにもマッチする一足となるだろう。
(問い合わせ先)
Sojitz GMC
電話:03-6894-5760
価格:7,800円+税