Reading the leading shoes

リーガルのストレートチップ


Jun 10th, 2015

text_junki yamada
photo_kazumasa takeuchi

ゴアテックス® ファブリクス搭載の靴なら、
雨の日の足元も心配無用です!

今年も梅雨の時期になりました。しかし、近年は地球環境の変化によるものか、梅雨であっても豪雨が懸念されます。普段、革靴を履いているビジネスマンにすれば、そうした日の足元が少々心もとなく思えることでしょう。

そこで、ぜひ1足は所有しておきたいのが「ゴアテックス®フットウェア」のビジネスシューズです。ゴア社の「ゴアテックス®ファブリクス」は、多くのアウトドアブランドがアウターなどに採用している防水透湿性素材。フッ素樹脂の一種「PTFE」の薄膜を核とするこの素材は、外部からの水は通さず、しかし汗による湿気は通すという特性があります。

そして、それを靴下状に成型したものが「ゴアテックス®フットウェア」に内蔵されています。これが仕込まれた靴は高い防水性を備えるとともに、靴内を常に乾いた状態に保つことができます。筆者も、1日中履いても蒸れず、夏場はさっぱりと、冬場は足冷えせず暖かく履くことができた経験をもっており、「ゴアテックス®フットウェア」の“実力”を大いに実感したものです。

ところで、この「ゴアテックス®フットウェア」はマウンテンブーツに採用されたのが最初。ですが、ビジネスの靴では例が少なく、しかも高温多湿である日本のメーカー数社に製品がほぼ集中しています。

その1社がリーガル コーポレーションで、初導入は1999年。当初はステッチダウン式製法でしたが、多くの試作を経た2年後、グッドイヤーウエルト式製法による「ゴアテックス®ファブリクス」搭載シューズを開発しています。筆者は昔、同社の新潟の工場を取材し、その1室に鎮座する「ゴアテックス®フットウェア」専用の遠心分離器(大きなものです)を目にしました。

「ゴアテックス®フットウェア」の製品テストは大変厳格で、靴では製靴後、この機械を使った防水テストをはじめ、防水耐久性テスト、透湿性テストなどが施され、全てをパスした製品のみが出荷されています。

今回ご紹介する今季デビューモデルも同工場で生産されたもので、製法はもちろん、同社十八番のグッドイヤーウエルト式製法。ブラックもありますが、写真の明るめブラウンはバフ研磨による摩擦熱で革の表面にうっすら濃淡をつける焦がし仕上げが施され、味ある表情を見せています。が、本品の最大の特徴はといえば、それは世界で初めて「ゴアテックス®サラウンドプロダクトテクノロジー」を搭載した点でしょう。

既存の「ゴアテックス®フットウェア」の場合、アッパーでは効力を発揮するものの、ソールは本底がゴム製ゆえに靴内の湿気が十分放出されずにいました。しかし「ゴアテックス®サラウンド®フットウェア」では、合成ゴムの本底にハニカム状の通気孔を装備。これにより、雨の浸入は許さず、しかし足裏からの湿気放出を可能にしたのです。要は、これは360°全方位で防水耐久性と透湿性を発揮する「ゴアテックス®フットウェア」の最進化版。これならどんなに降りの激しい日でも気後れせず外出できますし、湿気の多いこの時期、終日履いても不快な蒸れにも悩まされずにすみます。

ところでリーガルの「ゴアテックス®サラウンド®フットウェア」モデルは現状、数型が展開されていますが、その中からブラウンのストレートチップを取り上げたのは、スーツからデニムまでよく合い、パンツの色を選ばないから。普通の日にも快適に履くことができる靴なのですが、雨の日専用にというのであれば、コーディネートの守備範囲が広い、このモデルが“お得”だと思うのです。

(問い合わせ先)
株式会社リーガルコーポレーション
お客様相談窓口
電話:047-304-7261
価格:36,000円+税

Navigator
山田純貴

55歳/東京出身/雑誌・書籍のフリー編集者・ライター。 中学時代に靴の魅力に開眼。1993年以降、靴道の伝道者として雑誌等に執筆中。著書に『靴を読む (本格靴をめぐる36のトリビア)』(世界文化社)がある。

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