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アディダスのウルトラブースト


Jun 17th, 2015

text_masahiro minai
photo_kazumasa takeuchi

究極のクッション性を誇る1足を
あえて街で履くことの喜び!

最近のスニーカーシーンはアディダスならアディダス オリジナルス、ナイキはナイキスポーツウェア、リーボックはリーボッククラシックというように、過去の名作を現代に蘇らせたプロダクトをラインナップしたコレクションが主流となっている。

しかしながら、今からおよそ15年前と、20年前には最新のスポーツシューズを街で履くことがポピュラーだったことがある。ストリートファッション誌などは、それをハイテクスニーカーブームと名付け、15年前のスニーカーブームをリードしたのはナイキのエアプレスト、エアクキニ、エアズームヘイブンで、20年前のほうはナイキのエアマックス‘95やリーボックのインスタポンプフューリーといったプロダクトであった。

もちろん現在も最新モデルを街で履く人は存在するが、その比率はハイテクスニーカーブームと呼ばれた上記の頃と比較すると著しく低い。

そんな2015年のスニーカーシーンにおいて、最新モデルながらストリートでしっかりと存在感を発揮しているランニングシューズがある。それがアディダスのウルトラブーストだ。

ウルトラブーストはアディダスがドイツの化学品メーカーBASFと共同で開発したミッドソール素材であるブーストフォームを100%使用したモデル。2013年に発表されて以降、ブーストフォームはその優れた衝撃吸収性と反発性能で多くのアスリートを魅了したが、EVA(エチレンビニルアセテート)のような従来からスポーツシューズ業界で使用されてきた素材と組み合わせて用いられることが一般的だった。

だがこのウルトラブーストは、ブーストフォームが持つ究極のクッション性をこれまで以上にアスリートに提供するために、ブーストフォームをミッドソール部分に100%使用しているのである。

またウルトラブーストが優れているのは衝撃吸収及び反発性能だけではなく、アッパーを特殊なマシンで編むことによって完成したプライムニットというフィッティングテクノロジーを採用することによって、シューズと足の高いフィット感を得ることにも成功したのだ。

このように随所に高い機能性を結集したウルトラブーストであるが、その外観もスタイリッシュで魅力的。そんなこともあって、前述のようにカジュアルシーンで着用するユーザーが少なくないのである。

今シーズンは昨シーズンに続いて街でも履けるサーフトランクスに注目が集まっているが、ウルトラブーストとの相性もピッタリ。さらに秋冬シーズンのスウェットパンツブームを継承するかたちで、春以降スウェットショーツの人気も上昇中だが、こちらとコーディネートするのもよいだろう。

(問い合わせ先)
アディダスジャパン株式会社 アディダスグループお客様窓口
電話:0570-033-033
価格:19,900円+税

Navigator
南井 正弘

1966年 愛知県西尾市生まれ/フリージャーナリスト、ランニングギア・マスター編集長 スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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