Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HOW TO
19世紀頃、英国ヴィクトリア朝に上流階級の間で流行したチェスターフィールドコート。第6代チェスターフィールド伯爵が着用したことから、その名が付いたという。クラシックスタイルでは上襟にベルベット(ビロード)があしらわれ、ボタンが隠れる比翼仕立てが正式とされる。他にもノッチドカラー、両脇のフラップポケットなどが特徴。一枚羽織るだけでフォーマルかつオーセンティックな雰囲気を演出できる。男性用コートの定番が、時を経てマニッシュな着こなしを好む女性からも支持されるようになった。
ITEM TIPS
1. Pattern
濃淡のコントラストが目を惹くグレンチェック
スコットランドのアーカートという峡谷で織られた柄を指すグレンチェック。千鳥格子と細いヘアライン・ストライプを規則的に組み合わせた柄で、明暗色か濃淡色を2本、もしくは4本ずつ織り込んでいる。濃淡のコントラストが印象的なパターンはアメトラのアイテムとしても頻繁に登場する。
2. Collar & Lapel
幅や高さによって表情が変化する、ひし形の襟
カラー(上襟)とラペル(下襟)の間にV字の刻みが入るノッチドラペルは、背広やジャケットなどで用いられる定番の形。カラーとラペルを縫い合わせた部分はゴージラインと呼ばれ、時代のトレンドによって角度や高さが微妙に変化する。ラペルは幅広であればクラシックでフェミニンに、幅狭であればシャープな表情になる。
3. Buttons
機能だけではなく、全体のバランスも左右する装飾具
ソリッドな印象を演出する水牛調の練りボタン。水牛ボタンに似せて作られた質感は、高級感を感じさせエレガントな雰囲気を醸し出す。コートやジャケットにおけるボタンの種類や位置は、アイテムの印象に大きく影響を与えるため、全体のバランスの中でも重要な役割を果たす。
4. Pocket
実用性と機能性を兼ね備えたフラップポケット
ポケット口を覆うフタが付いたフラップポケットは、中身を雨や風、ホコリから守ることができ、実用性と機能性を兼ね備える。またこの位置は全体のスタイルバランスや、印象を左右する重要なディテール。チェック柄が前身頃と同じように出ているところに丁寧な技も隠されている。
5. Silhouette
ベーシックな細身のストレートシルエット
ウエストにシェイプを入れることなく、すとんと落ちた細身のストレートシルエットは、メンズのチェスターコートの定番ともいえる形。膝にかかるやや長めな丈でフォーマルウェアからデイリーユースまで、マニッシュに、シャープに着こなすことができる。
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