Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HOW TO
数あるジャケットの中でも、シックでいてオーセンティック、品格のある柄といえばヘリンボーンだ。ヘリンボーンとは直訳すると「ニシンの骨」という意味。山形と逆山形が交互に入り混じった模様の綾織物で、葉の形が杉の葉に似ていることから、杉綾と呼ばれることもある。光の反射によって、上品な光沢感と高級感が出るのもこの織りの特徴。テーラードジャケットのひとつとして、アイビーファッションに取り入れられると次第に着こなしは洗練を極め、メンズファッションに欠かせないアイテムになった。アメトラの中では、特にグレーのヘリンボーン柄が定番で好まれる傾向にある。
STYLE TIPS
1.Outfits
幅広いシーンで上質なトラッドを楽しむ。
グレーのヘリンボーンジャケットには、秋冬らしい素材の組み合わせがおすすめ。アメトラを意識した配色なら、インナーにオレンジなど発色の良い暖色系ニットを、そこにグリーンのレジメンタル・タイを締めると、見た目にも華やかなコーディネートが完成する。その際、靴はブラウンのウィングチップにしてカジュアルに。シャツはドレスシャツも良いが、オックスフォードのB.D.シャツだとトラッド感がさらに上がる。一方、大人っぽいトラディショナルスタイルを目指すならば、インナーにグレーのカーディガンとシャツの色でグラデーションをつくり、色数は抑えめに。地味になりすぎないようにする秘訣は、チノパンの丈。やや短めのダブルにすることで、シルエットにトレンド感がプラスされる。スエードのモカシンは、秋冬のジャケットスタイルを上品で軽やかに仕上げてくれる。
2.Accessories
小物使いで、より品格のあるトラッドスタイルに。
ヘリンボーン柄が引き立つように、合わせる小物はシンプルにまとめたい。柄同士がケンカしないよう、複雑なパターンや細かい模様の入った小物は避けた方がベター。秋冬シーズンにふさわしい起毛感と風合いの良さが感じられるアイテムを選ぶとよい。例えばマフラーならば、グレートーンの中柄のチェックがよく似合う。暖色系の挿し色を加えると明るい雰囲気になり、バイカラーのマフラーをシンプルにひと巻すれば、シックな印象になる。いずれもふっくらとした肌触りの良質な素材を選ぶことが、トラディショナルなスタイルを品よくまとめてくれるポイントだ。ツイードのキャップやフェルトのハットなど、スーツに合わせるには難易度が高めなアイテムも、ジャケットならば取り入れやすいので、時にはそんな遊びを加えてもいいだろう。
チェスターコート Vol.02
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