19世紀頃、英国ヴィクトリア朝に上流階級の間で流行したチェスターフィールドコート。第６代チェスターフィールド伯爵が着用したことから、その名が付いたという。クラシックスタイルでは上襟にベルベット（ビロード）があしらわれ、ボタンが隠れる比翼仕立てが正式とされる。他にもノッチドカラー、両脇のフラップポケットなどが特徴。一枚羽織るだけでフォーマルかつオーセンティックな雰囲気を演出できる。男性用コートの定番が、時を経てマニッシュな着こなしを好む女性からも支持されるようになった。

1.Outfits
メンズライクなスタイルにこそ女性らしさをプラス。

メンズライクなチェスターコートを着こなすには、インナーのアイテムや小物使いにこだわりたい。基本的にはメンズスタイルで使われるアイテムと相性は良いが、細部に女性らしさを忍ばせると表情ががらりと変わるので、コーディネートの重要なポイントになる。例えば、脚を長く見せるフレアデニムやポインテッドトゥのフラットシューズでフェミニンなテイストを取り入れる。一方、タートルネックのニットに大判柄のスカーフを一巻きして上半身にアクセントを置き、上品な女性らしさを演出しても。チェスターコートと相性の良い、上質なウールのスラックスやマニッシュなブラックのウイングチップシューズを組み合わせることで、絶妙なバランスのリュクスなトラッドスタイルが完成する。

2.Accessories
ギャップを意識した小物使いでスタイルミックス。

小物使いをフェミニンにするのであれば、思い切って正反対のテイストを合わせてみると、ほどよくトレンド感を出せる。例えば、華やかな印象のあるゴールドチェーンのショルダーバッグや小ぶりのレザーバッグ、ウールやカシミヤなどの柔らかな素材の大判ストールやマフラー、パールのネックレスなど、合わせる小物は女性らしさにこだわると、かえってバランスが取りやすくなるのでおすすめ。また、チェスターコートのようなクラシックなシルエットには、どこかヴィンテージ感の漂うアクセサリーやオーセンティックな柄のスカーフなども相性が良い。