カーキ色は英国軍が生み出した
チノクロスパンツ(略してチノパン)はジーンズよりもドレス度が高く、グレーのウールパンツほど改まっていない。そのうえイージーケアでシワも気にならずに、3シーズン着用できるから、日常使いするパンツとしてはこれ以上ないほど便利なアイテムだ。しかし使い方を誤ると20年前のゴルフおじさん風になったり、ドレスダウンしすぎてチーマー風になってしまう心配もある。
チノパンには、軍モノがルーツの41カーキと、それを洗練させたドレスチノの2種類がある。チノパンを自分らしくスマートに愛用するためにも、まずは誕生の過程を知っておくことが有益だと思う。
チノパンの原型は、19世紀半ばにインドに駐留していた英国陸軍の部隊長ハリー・バーネット・ラムズデンが考案したといわれている。当時の英国陸軍の制服は、赤い上着に白いパンツという華麗なものだった。しかしこのユニフォームは、埃っぽいインドでは目立ちすぎるし、汚れやすい欠点があった。