- SHOP INFO
- Restaurant Anis(レストラン アニス)
- TEL:03-6276-0026
住所:東京都渋谷区初台1-8-7 1F
営業時間:11:30~14:30/18:00~23:00
定休日:第2日曜、月曜
席数:22席
HP:http://restaurant-anis.jp/
ガストロノミーをカジュアルに
初台駅の商店街を歩くこと数分。そろそろ賑わいも途切れてきたかな?というようなタイミングで現れるこの店の名は『アニス』。ここはかつて『レストラン キノシタ』や『ラ・カスケット』が店を構えたのと同じ場所。テントに覆われたテラス席の奥には、なんだか気を張らずに済みそうなカジュアルな内装が見て取れます。
厨房を率いるのは清水 将シェフ。ミシュランの三ツ星を守り続け、パリで最も予約が取れないとも噂される『アルページュ』で働き、肉と野菜の魔術師と言われるアラン・パッサールのもとで肉料理部門を任された清水シェフ。様々な文化的要素を吸収し、それを料理として表現するガストロノミーを、フランスで7年間の修業期間に学んで2009年に帰国。銀座『ラール・エ・ラ・マニエール』の初代エグゼクティブシェフを務め、2013年8月にこの店を開きました。
加熱は鉄板で
座り心地が極めて素敵なYチェアが並ぶカウンターに陣取れば、厨房がまる見え。肉や魚や付け合わせの野菜たちを鉄板で焼き上げるという清水シェフの独特なスタイルを眺めながら食事を堪能できるので「おひとりさま」で訪問しても、楽しかったりもします。
ディナーのコースは5,500円か9,500円(ちなみにランチは1,500円/3,800円)で、メインは低温で時間をかけて火を通した肉料理。付け合わせは温野菜で、季節の根菜や葉野菜が小鍋にたっぷり盛られます。面白いのは、料理の締めに葉野菜のサラダが供されること。とにかく野菜には徹底的にこだわる姿勢が見て取れます。
ご予約のうえ、鍋を持参!?
さて。しかし今回は、カウンターに座っても飲み物しか注文しません。なぜならばお料理はお持ち帰りゆえ。
その名は「野菜のトリュフ鍋」。季節の野菜のスチーム料理で、ココットの中に入る野菜の種類は優に30を超えるほど。色とりどりの大根やかぶ、芋類は石川小芋やノーザンルビーなど約6種、ブロッコリー・ロマネスコやスティックセニョールのような洋野菜、生きくらげや舞茸などのきのこも入り、和洋取り混ぜた野菜の種類は、この日33もありました。
それらを、茹でたり焼き目をつけたり、食べやすいようにカットしたりという下ごしらえを、それぞれの野菜ごとに施して、スープや自家製のトリュフバターを加えたら、シェフの作業は以上終了。あとはココットを持ち帰り、水を少々(2人前なら20〜30cc程度)加え、5分ほど温めればワクワク時間の始まりです。
「野菜のトリュフ鍋」の注意事項をまとめると…
若干ながら特殊な状況なので「野菜のトリュフ鍋」を注文する際の注意事項をまとめると、こんな感じになります。
① 鍋は各自ご持参のこと
基本的にはどんな鍋でも対応してくれますが、できれば厚手の鋳鉄鍋(ストウブとかダッチオーブンとか)を使ったほうが、仕上がりがシェフの狙いに近づくはずです。
② を持ち帰るための袋もお忘れなく
ビニールや紙の袋では、鍋の重みに耐えられないこともありそうなので、できれば布製のエコバッグやトートバッグもあわせて持参することをおすすめします。
③土日&人数限定です
「野菜のトリュフ鍋」は、土日限定&1日5組限定。できるだけお早めに予約なさったほうが良さそうです。
④価格は2600円(2人前)
今回、清水シェフにつくっていただいた「野菜のトリュフ鍋」は2人前。で、お値段は2600円。4人前なら5000円になります。量に関しては予約の際に相談のうえで、増減可能とのこと。
野菜の素顔がわかる名料理
できあがった「野菜のトリュフ鍋」の蓋を開ければ、ふわっと漂うトリュフの香り。味付けが繊細なので「塩を少々加えて召し上がっても美味しいですよ」と清水シェフ。33種の野菜の香りと味と食感が、それぞれに異なる様子も楽しめるので、春菊やつるむらさきなどの苦味の野菜はしっかりと苦く、菊芋やインカの目覚めなどの芋類や、スティックセニョールなどの甘味の野菜はとことん甘い。…という具合に、野菜の素顔をしっかりと味わいながら楽しめます。
記憶に残ったのは、にんじんにも似たセリ科のパースニップ。歯を立てるや爽快な苦味が舌を覆い「野菜ってこんなに苦かったのか!? いや、むしろこの苦味が美味しいぞ!」だなんて気づいたりもできるはずです。
とまぁそんな具合に美味しいだけでなく楽しいこの鍋。ホームパーティのキラーコンテンツとしてぜひどうぞ〜! あ、そうそう。『アニス』は基本的にはコースのみの提供ですが、21:00以降はアラカルトも。お店では例えばこんなお料理を堪能できますので、これまたぜひ!