食べて「発見」。

東京タワーの真横でいただく、NZの極上肉


Aug 26th, 2015

text_tomoko oishi
photo_sono(bean)

熟成肉ブームやステーキハウスの新規オープンが続いて久しく、みなさんの肉好きを実感する日々。雑誌の肉特集は売れ行き絶好調ですし、SNSでも肉への「いいね!」は本当に多い。では、なぜそんなに肉好きが多いのか。そこには“美味しい”を超えた、なんというか“カラダが欲するから”という一面があるのでは? ならばカラダが喜ぶ、栄養価の高い肉の方がいい。そこで今回ご紹介するのが、ニュージーランドの肉を扱う「ワカヌイ グリル ダイニング」の新店です。

SHOP INFO
WAKANUI GRILL DINING
ワカヌイ グリル ダイニング
TEL:03-5401-5677
住所:東京都港区芝公園3-4-30 32芝公園ビル10F
営業時間:11:30〜15:00(LO14:00)/18:00〜23:00(LO22:00)
定休日:無休
席数:ダイニング102席、バー32席、テラス26席
HP:http://www.wakanui.jp/index.html

長年男性誌の仕事に携わり、“モテるレストラン”みたいなものを取材し続けていますが、この7月19日オープンしたばかりの「ワカヌイ グリル ダイニング」はモテ度でいうと横綱級。というのも、まずロケーションがスペシャルなんです。店は東京タワーの真横にあるビルの10階に立地。テラスに面したテーブル席では、この通り、タワーの鉄鋼が掴めるんじゃないか!ってくらいの大迫力の眺望のなかディナーを始められます。

実際に私が店で食事をしていたときにひと組のカップルが入ってきたのですが、エレベーターが開き店に着いた瞬間、女性の顔がパッと明るくなったのを覚えています。ちょっと前に「欧米か!」というギャグがありましたが、お洒落な内装をみてまずそんな反応。そして東京タワーを真横にする席に着き、さらにテンションが上がった様子。お肉が来る前に、デートの空気はだいぶ温まりますね。ある程度の高さがあるので店内からの平行目線でもタワーを楽しめますが、テラスに出て見上げてみればこの通り。

ド〜ン!!

これでもかと近い距離に東京タワーがそびえ立ちます。なので、ディナーをする前に一度このテラスに出てみるか、もしくは食後にテラスでカクテルなんかを呑むのもあり。もしも私が男だったら両方やりますね。なぜならやはり好調な出だしをきりたいから。ちなみに、やっぱり東京タワーが赤い日に行きたいですね。誤って消灯の日に行ってしまったりしたら、しょんぼりしてしまいそうです。

さて、肝心な食事について。そもそも、「ワカヌイ」といえば東京タワーの横に店を出す前から、大変人気のあるステーキハウス。ニュージーランド食肉公社の100%出資により設立されたアンズコフーズ(株)が直営するステーキ店で、それゆえ肉の上質さは言わずもがな。さらにそんな背景があるため、料金がとてもお手頃なのです。

店に入ると、このようなステーキハウスらしい熟成庫が目に入ります。最近は熟成に過度な固執をみせる店も多いですが、「ワカヌイ グリル ダイニング」では熟成させるべき肉だけを適度に寝かせるスタイル。熟成されるのは、メニュー内の“オーシャンビーフ 骨付きリブアイ”のみ。食べて実感しますが、“熟成”ではなく肉の“食べごろ”を丁寧に見極め提供している姿勢を感じます。

腹ペコで行けば、肉が焼かれる時間のもどかしいこと……。ただ、お通しとして出されるラムチョップ(グリルの右側にのっているもの)が、その空きっ腹には劇的な旨さ。ラム好きでなくとも、いままでのラムの概念を覆される味わいかと思います。肉には塩・コショウしかふられていないのに、まるで何かソースをまとっているかのような濃厚さ。羊さまの自力ソース凄い! それでいて、サクッと軽め&柔らかめの食感で、ビーフがくる前にお代わりしたいほど。1本420円という手軽さで、ワンコインで得られる幸せとしてはトップクラスです!

そんなラムチョップを我慢して、次にオーダーしたのがこちらの“NZ産活グリーンマッセルの香草白ワイン蒸し”(2100円)。その名のとおり、空輸で生きたまま送られてくるこのムール貝は、よくみるそれよりサイズが大きく、肉のような食べごたえ。オレンジがメス、白がオスだそうで、かすかに味も違います。メスの方がより味が濃く感じました(色のイメージもあるかも…)。ともあれ泡酒が進みます。

そして、待ちにまったステーキがこちらの“オーシャンビーフ 骨付きリブアイ”(1000g 1万3500円)。4名分くらいのボリュームですね。アメリカ系ステーキハウスで似たようなものを頼んだら、たいてい2万円は超すはず。普段から頻繁にカラダが欲する肉こそ、お得な方が嬉しい。はじめこの塊でお目見えして、このあとサーブされます。

美味しいものは美しい。そんなことを思わせる、フォトジェニックな骨付き肉。

また、私がニュージーランドの牛と羊を好きな最大の理由は、牧草を食べ育っているところにあります。緑豊かな大自然のなかストレスフリーで飼育された牛と羊は、滋味深い美味しさに溢れ栄養も満点。本来の餌である牧草を食べている牛と羊には、鉄分やオメガ3脂肪酸など女性に嬉しい栄養素が多く含まれています。

たっぷり食べても食後感が軽く、翌日にはむしろ体重が減っていたりするから驚き!しかも、特に羊を食べた次の日はお肌もツルツルになります。

近年話題の、食べながらやせる“ケトジェニックダイエット”(=赤身の牛肉を食べることによるダイエット)に、ニュージーランドビーフは最適。メタボな牛を食べたらメタボになるし、健康的な牛を食べたら健康になるという原理です。

そうダイエットにいい肉を食べたあとに、つい頼んでしまうのがこの“自家製ホーキーポーキーアイスクリーム”(700円)。バニラアイスクリームのなかにパリパリのキャラメルが入り、これがまたやみつきになる食感と甘さ。これはもうしょうがありません! オーダー不可避!(ちなみに私はこれを食べても翌日体重が減ってました)。

そんな「ワカヌイ グリル ダイニング」は席をとるのが今後さらに難しくなりそうですが、狙い目は32席あるバーエリア。ここなら予約なしでさらっと入れる可能性大ですし、むしろ肩肘はらずに「ステーキ行かない?」と誘うのはステキなはず。

ニュージーランド産のウォッカ「42 BELOW」を使ったカクテル(各1200円)を食前酒として、肉に備え食欲を刺激するのもオツですよ!

※表示金額は全て消費税込み。

PROFILE
大石 智子

編集者・ライター。出版社勤務を経てフリーランスに。『GQ JAPAN』『東京カレンダー』『LEON』『メンズクラブ』など男性誌を中心に活動。趣味は海外のホテル&レストランリサーチ。

産地&食文化を探訪。「郷土料理」を「風土料理」へ。

初めてなのに、懐かしい。ネパールの“超”家庭料理


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