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TRAVEL TICKET
海外旅行、一人旅、家族旅行……。旅とは一体何なのでしょうか。一歩外にでるだけでも、視点を変えれば旅とも感じることができます。毎日を少し面白くしてくれる、徳永さんの写真と言葉のコラム。
日本の大都市とはだいぶ違う、この空気、このざわめき。
この湿度、この温度。
バリ島、
空港に降り立ったその時に鼻につんと来る独特の匂いは懐かしくもあり新鮮でもある。
ここでは何もかもが強い。空気も湿度も、雲も木々のざわめきも空も。
感覚を研ぎすますと耳元で沢山のささやきが聞こえるよう。
何となく日常を過ごしていた日々からポンと放り込まれたこの世界で圧倒されない様に!!
旅の始まりは車から見る風景。
窓に顔をべったりとくっつけて見逃したくない風景をじっくりと感じる。
空を見上げ、下を見下ろし、キャッチする。
大人のリゾートのバリも確かに素敵だけど、こんな一面も確かにバリ。
そしてガムランの音。
水がそこに静かにある。
ここにはイメージしている癒しのバリがある。
やっぱりバリに来たらこれがなくちゃね、特に疲れたオトナには。
しばらく聴いていると、どこに居ようともトローンとしてくる。
バリを離れてもガムラン音楽を聴くと途端にタイムトリップ。
旅の気分が緩やかによみがえる。
ライステラスの空気やふわりとした匂いがしっとりとまとわりついてくる。
時にはスコールで中から外の風景をただただ眺める。
日本ではなかなかない叩き付ける様な激しさといきなり押し寄せて来たムッとむせ返る様な湿気に、別世界に来たかの様な錯覚を覚える。
でも
旅先でのこんな時間すらとてもしっとりとよい時間に感じるのはバリの独特な空気のせいかな、他の街だときっとこうはいかない。
スコールが通り過ぎれば
強い日差しの中で自由に生きているイキモノが現れる。こいつはプールサイドの蜥蜴。
ごくごく普通にゆうゆうと横切って行った。。。
自然に堂々と生きている。
そしてウブドの猿。モンキーフォレストは猿達の森。
おじゃましま〜す、バナナをどうぞ!
ささっときてひったくって行く一群。あんなにあったバナナがあっという間になくなった。
まとわりついたり飛び乗ったり、可愛いと思いきや結構以外と強引で、こちらも思わず手をぐいっと引っ張ってみたくなる。
絶対に行きたいのが棚田の見える場所。世界遺産にも登録された。
見事なフォルム、とても美しいグラデーション。
時間と空気の流れが、違って見える。
時折 犬が、おじいさんが、通り過ぎる。
おじいさん、とっても味のあるお姿。
かっこいいのでぱちり。そしたら、なんと右手を差し出している!その手招きの様な動きは『くれくれ』のポーズ!
ああそうか、お小遣い欲しさのポージングだったのね!!
興ざめでもあり可笑しくもあり。
同じ場所でポーズを取った犬は くれくれって言わなかった。
ささっときてさりげなく立ち止まって、またささって去って行った。
世界遺産になってもならなくても美しい風景がそこかしこにある場所。
そこにある人々の暮らしはたくましい。
そして至る所にみかける大小様々の寺院。様式も色々なので色々調べてみたくなる。彫刻も装飾も美しく、観光客がバスで押し寄せるほどの有名寺院があったりするのもうなずける。
自然を感じて、建造物をみて異国を感じて、いつでも立ち去り難い場所、それがバリ。
最後の日にはお約束の写真をぱちり。
滞在中のテラスに日々増えていったひろいもの。
ヤシの木の根元に落ちていた小さなココナッツ。よくわからない実。プルメリアの花。まだら模様の葉っぱ。
どれもとても好きだけど、持ち帰る訳にはいきません!!
次に来たらまた集めるよ!!!
PROFILE
徳永 彩
東京生まれ。多摩美術大学を卒業後、96年より活動を開始。Bibliothèque Nationale de France、神戸ファッションフォトミュージアムなどに作品が永久収蔵。現在は、雑誌・広告・CDジャケットなどを中心に活動。
03 モロッコの旅。
01 イタリアの旅。