ニューヨークもこれから一気に夏に向かっていく季節です。だんだん薄着になっていくこの時期、ダイエットに関心が向く人も多いのではないでしょうか?
ソーホーのビルボードではニューヨークを拠点とするフィットネスジム「EQUINOX(イクイノックス)」の屋外広告が貼られていました。ゴージャスなジュエリーを身につけ、高級そうなレストランでふたりの赤ちゃんを抱え授乳するグラマラスな女性。このドラマティックな写真を撮影したのはトップファッションフォトグラファー、スティーブン・クラインです。ニューヨーカーたちは今、どんなボディを、またどんなライフスタイルを目指しているのか? その問いを投げかけるようなヴィジュアルだ、とも解釈できます。
書店の料理本コーナーには「スペシャルダイエット」の書棚があり、グルテンフリーやPALEO(パレオ)、ローフードなどさまざまなダイエット法のレシピ本がずらりと並んでいます。
小麦や大麦などに含まれるたんぱく質であるグルテンを摂取しないダイエット法である「グルテンフリー」に関しては一般にもかなり浸透していて、街角のごく普通のデリでさえ「GFB(Gluten Free Bite)」と表示されたお菓子などが並べられています。
さしてトレンディともいえないピザ屋さんでさえ、グルテンフリーのピザやパスタメニューを告知しているほどです。
グルテンフリーをさらに進化させた「パレオ」はグルテンのほかに全ての穀物、豆類なども摂取しないというダイエット法です。この方法では人間が農業を始める以前、旧石器時代(英語でPaleolithic era)の食生活に戻ることを推奨しています。過食や食品添加物の摂取などによる現代病がなかった時代の食事法で人間の原点ともいえる、健康体を取り戻すメソッドなのです。
このダイエット法のパイオニアのひとりダニエル・ウォーカーは2冊のレシピ本を出版しており、どちらもベストセラーになっています。メニューは一見パスタに見えるようなものもありますが、これはなんと麺がズッキーニでできているのです。
飽食の時代、ダイエットについて考えたり、食生活を見直すのは必要なことだとも思います。同時に、真の健康体や美しいボディとは? ということについても考えるときなのではないでしょうか? 毎年スイムスーツ特集号のカバーガールが話題になる『Sports Illustrated』誌は今年、3名のモデルがフィーチャーされました。これは史上初のことで、体型もさまざまなモデルが表紙となっています。これまで人々が憧れてきた“モデル体型”とは、単に痩せているということではない、というメッセージです。
個人的にはグルテンフリーの食品を日々の生活に取り入れ始めています。小麦を使わないパンでも、美味しいものが出てきました。それと同時に、やっぱり美味しいクロワッサンやパスタも楽しみたい、という欲が捨てきれないので、外食ではそういった食品も食べています。中途半端なようですが、自分の口に入れるものに少しずつ気を遣っていきたい、そんなことを考える季節の変わり目です。