美人白書

Vol.01 前田典子


Sep 12th, 2012

photo_takeshi wakabayashi
stylist_makiko kato
hair&make_takuma itakura(nude.)
text_mayumi shiina(rhino_inc)

第一回目はモデルとして、また最近ではテレビのコメンテーターとしても活躍されている前田典子さんが登場。ファッションのこだわりやライフスタイルについてお話を伺いました。

前田典子さんの美しさを構成するものとは

初めに- モデル・前田典子さんについて

ずっとモデルというお仕事に憧れていたんです。

19歳でモデルデビュー、21歳で上京して本格的にモデルのお仕事を始めました。モデルになったきっかけは、地元の大阪でたまたま素人として出演したテレビ番組。そこで出会ったテレビ関係者の方に「モデルになりたいんです!」と相談したところ、事務所を紹介してもらって。ファッションに関する仕事に就きたくて、ハウスマヌカンか、身長を生かしたモデルの仕事ができたらいいなと憧れていたんです。

モデルを始めて6年程たった25歳の頃、「場所を変えたい!」と思いパリに遊学しました。
“留学”ではなく”遊学”(笑)もちろん語学の勉強はしたかったんですが、”パリジェンヌ”になりたくって。(笑)パリに住むことに憧れていたんです。その頃って “スーパーモデルの第一期黄金時代”と言われた時期で、シンディ・クロフォードや、サルコジ元大統領の奥様のカーラ・ブルーニ、クラウディア・シファー等が活躍していて、その華やかな世界とパリのファッションに強く惹かれていました。フランス語の勉強を始めたら、ますますフランスへと気持ちが向いてしまって、ちょうど失恋をしたのが後押しになって「行っちゃえ!」って。一年半程パリで暮らしました。

モデルとして大切にしたいこと。

常に色んなことにアンテナをはって…

私は、ファッションモデルなのでお洋服を素敵に着こなすことが一番大事だと思うんです。スタイリストさんが用意してくれた服が”借りてきたもの”にならないように。高級な物だったらそれに負けない様に、逆に値段の安い物だったら値段以上に表現したいと思ってます。ファッションって毎シーズン変わっていくものなので、自分も変わっていかなきゃいけないと思うんです。その服が最旬に見えるように、常に色んなことにアンテナをはってモノを見たり、色んなお洋服を着たりしています。でもやっぱりファッションが好きなことが一番だと思いますね。ファッションが好きでないとモデルには向かないと思うんです。

お洒落をする上で、一番大切にしていること

季節にあったものを着ること。頑張りすぎないこと。

10代の頃は、日本のドメスティックブランドの全盛期だったので、ブランドで言うと「BIGI」とか「NICOLE」など着ていましたね。20代の頃はボディコンが流行っていたので、お仕事で着る機会が多かったんですけど、プライベートではアメカジとかフレンチカジュアルを好んで着ていました。後はシャツが好きなので、プライベートで良く着ます。シャツって着るだけで身が引き締まりますよね。常に季節にあったものを着ること、旬を取り入れることを大切にしています。あとは何より頑張りすぎないこと!綺麗にまとめ過ぎないことですね。女性らしいワンピースを着ても、足下はフラットシューズやビーチサンダルで外したりします。

母として、モデルとしての前田典子さんとは

家族の絆が強まったと実感しています。

今のお仕事は家族の支えがないと、続けていけないと実感しています。普通だったら奥さんがやることを息子や主人にサポートしてもらって、仕事に行くときは、いつも元気に「行ってらっしゃい!」って送り出してもらえる。子供を持ったことで、夫婦二人でいる時よりも家族の絆が強まったと実感しています。主人もモデルということで、息子と三人で共演する機会をいただくのですが、息子と共演する際は、いつもと違う感情が出てくるというんでしょうか、「ちゃんと目を開けているかな?」とか自分も仕事中なのに息子が気になってしまって。(笑)でも、子役さんとお仕事する時よりも、気の使い合いみたいのがなく、より自然に撮影ができるんですよね。

愛用されている物について
BED & Co.の時計
時計はいくつか持っているんですが、ダイヤがついている物って「私っぽくない」っていう思いがずっとあって、全然興味がなかったんですよね。なんか女っぽいのが凄く嫌だったんです。ダイヤって女性らしいじゃないですか。なので「ROLEX」でもボーイズサイズを選んだり、「Cartier」でもシンプルなものを選んだりと、わりとメンズっぽい、大ぶりな物が自分らしいと思っていたんです。ところが40代になった時、急にダイヤ付きの女性らしいものが欲しい!って思える瞬間が来て。今持たないでいつ持つ?みたいな気分になったというか。ラフな格好をしていても、ダイヤを身につけることで品が出るというか。とっておきでなく、普段使いに良い物が使えるって素敵ですよね。

前田典子さんが憧れる女性とは

完成された体を持った女性

Madonnaのような強い女性に憧れます。肉体的にも精神的にも強いというか、一本軸がありますよね。50代になった今も変わらず、一線で活躍していますし。彼女は、ファッションのブームを作ってきたし。私自身、スポーツをするのでMadonnaのような完成された体を持った女性ってカッコいいなと憧れます。体を鍛えることでお洋服を綺麗に着ることが出来ますし。どんなに素敵なお洋服を着ても、背中が丸まっているとか、姿勢が悪いと魅力が半減してしまいますよね。モデルの仕事って人から見られる機会が多い分、太った、痩せたっていうのも厳しく見られていると思うんです。いつお仕事が来ても、常にベストな自分で臨める様に綺麗磨きをすることは大切だと思います。でも年齢と戦うことって楽しいんですよね。私はエクササイズして汗をかく事が好きなので、ファイティングエクササイズや、最近ではヒップホップ系のダンスにもハマっています。一つのことをずっと突き詰めるのも大切だと思いますが、色んなことにチャレンジして、次に自分が楽しいと思えることを見つけるのが大切だと思うんです。

season recommends

今季おすすめのお洋服を前田さんに着こなしていただきました。

秋色を効かせたスタイリッシュなスカートスタイル

【着こなしのポイント】
スカートは、丈選びが大切。自分にあったスカート丈をしっかり選んでください。ブーツと合わせる際は、少し脚を見せることがポイント。全体的に軽やかな印象になります。今季注目のワイン色カーディガンを肩にかけ、コーディネートに色味を加えることで、ストライプシャツとスカートというシンプルなコーディネートにトレンド感を加える事ができます。小物で合わせた乗馬風のジョッパーブーツとフリンジのバッグは、秋冬の定番人気アイテムです。

ニットシャツスカートネックレスバッグ

ベージュでまとめたフェミニンなトレンチコートスタイル

【着こなしのポイント】
コートのフロントを開ける時は、後ろでベルトを絞って、逆にフロントを閉めた時はベルトを締めてXのラインを作るのがポイントです。女性らしいメリハリラインをつくることができます。定番コーディネートになりがちなトレンチコートは、柄物のストールをプラスしたり、バッグ等で色味をプラスすればスタイルアップすることが出来ます。寒くなってきたらファーのティペットを合わせても可愛いいですよね。今日は足下にブーティーを合わせたのですが、寒くなってきたら細身のパンツをブーツにインして履いてもカッコいいですよね。

コートニットパンツネックレスベルトバッグ

(ページトップで着たカーディガンのコーディネート)
ニットシャツパンツネックレスベルトバッグ

前田さん流着こなしの極意
お洋服を選ぶ際は、Iライン(縦長のラインを強調)、Xライン(メリハリを強調)、Vライン(顔周りをすっきり見せる)を意識しています。例えばロングネックレスで縦長のラインをつくる、ワンピースにベルトをつけメリハリをつくる、丸襟でもポイントのネックレスをつけるなどワンポイント加えることで、同じ洋服をセンスよく見せることができます。

最後に 前田さんが考える“美さ”とは

“美しい人”って、自分のことを愛して、自分を幸せにしている人だと思うんです。人生を楽しんで、活き活きしている人。そういう人ってオーラというか、周りの空気が心地よくって、会うと元気になりますよね。後は”気配り”でしょうか。人が見ていない所でも美しいことをしっかり心がけている人を美しいと思いますし、自分もそうでありたいと思います。

book

またこの度、前田典子さん監修のアンチエイジング本の発売が決定。
22歳の時から現在にいたるまで、25年間変わらない驚異的なボディの秘密を記した
『マエノリ流 25年間「去年よりキレイ」と言われ続ける習慣術』が2012年9月26日にマガジンハウスより発刊。誰でもお金をかけずにできる若返りメソッド、96アイテムなど必見です。

今月の美人
前田 典子

1965年生まれ。「マエノリ」の愛称で親しまれ、女性ファッション誌「STORY」(光文社)でカリスマ的人気を誇る。オリジナルブランド「Rejoove」のプロデュース、「モーニングバード」(テレビ朝日)の月曜レギュラーなど、活躍は多岐にわたる 。

Vol.02 高嶋ちさ子

Vol.44 小松美羽


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