Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
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HELLO! FROM NEW YORK
マンハッタンの大きさは実はそんなに大きくなくて、山手線の輪の中に入ってしまうほどです。それでもアップタウンやダウンタウン、イーストサイドにウェストサイド……。それぞれのエリアによってその街の表情は全く異なり、住んでいる人もそして雰囲気も違っています。
中でも、最近人気が急上昇している場所のひとつに”NoMad(ノマド)”があります。North of Madison Square Parkの略称で、マディソンスクエアパークの北側一帯のことです。この公園はマンハッタンの5番街とマディソン街の間の23~ 26丁目にあるのですが、このノマド地区はミッドタウンとダウンタウンの間に挟まれてこれまでは見逃されがちでした。もともとこの界隈は19世紀〜20世紀初頭の由緒あるビルが多く、古く趣のある街並が特徴です。最近では、話題のレストランやショップも続々オープンしていますが、中でも注目されているのがふたつのデザインホテルです。
1903年に建てられたビルを改装した、その名も「The Nomad Hotel」は、去年オープンしたばかりですが、もうずっとそこにあるような落ち着いた大人っぽさとスタイリッシュな雰囲気がミックスされています。インテリアはパリで人気のホテルコストなどを手がけているフランス人デザイナー、ジャックス・ガルシアが担当。アールヌーヴォー風の壁紙やクラシックなデザインの家具などヨーロピアン風の内装がエレガントです。1階にあるレストランは、ミシュランで3つ星をとったことがあるシェフ、ダニエル・ハムによるもので、オープン以来ファッション関係者にも人気のスポットになっています。
そしてその1ブロック北にあるのが「ACE Hotel」。ここはもともとオレゴン州ポートランドにあるデザインホテルの系列です。入口の横にはコーヒーショップもあり、コーヒーを片手にロビーのソファやテーブルでラップトップパソコンを広げる人が集っています。宿泊客専用のホテルロビーというよりはむしろ、図書館かラウンジのような雰囲気で、いつも活気にあふれています。こちらのインテリアは アメリカのヴィンテージ家具を中心にセレクトされており、より若々しい雰囲気です。インテリアは、元ハリウッド映画のセットを手がけていたローマン&ウィリアムズによるもので、まさにここに来る人々自身がまるで映画のキャストになったかのようにも感じられるドラマティックな演出が見事です。
NAVIGATOR
市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を日本の雑誌、新聞に寄稿。 最近は、NYコレクションの他、ブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材を毎シーズン続けている。07年には初の単行本『NYのおみやげ』を出版。
www.originalslope.com
2013年秋冬NYコレ開催!
ローワーイーストサイドの新しい映画館「メトログラフ」。