HELLO! FROM NEW YORK

ニューヨークに抹茶ブーム到来!?


Nov 26th, 2014

edit_akiko ichikawa

日本食の再ブームに加え、健康志向も強いニューヨークで今、人気に火がつきはじめているのが抹茶です。実際、Matchaと英語でも分かる人が増え、この秋はブルックリンに抹茶専門の「MatchaBar」がオープンしました。ここは人気のデザインホテル「Wythe Hotel」の斜め前といった好立地にもあり、トレンドに敏感な若者を中心に紙コップでカジュアルに抹茶を飲む姿が見られます。

日本食の再ブームに加え、健康志向も強いニューヨークで今、人気に火がつきはじめているのが抹茶です。実際、Matchaと英語でも分かる人が増え、この秋はブルックリンに抹茶専門の「MatchaBar」がオープンしました。ここは人気のデザインホテル「Wythe Hotel」の斜め前といった好立地にあり、トレンドに敏感な若者を中心に紙コップでカジュアルに抹茶を飲む姿が見られます。

オーナーはアメリカ人の兄弟、マックスさんとグラハムさん。マックスさんは学生時代に日本を訪れたことがあり、そのときお茶会に出席し抹茶を飲んだことがあるそうです。その後大学生になり「すっかり不摂生な生活をしていたのだけど、ある日、日本で飲んだ抹茶のことを思い出したんだ」というのがオープンのきっかけ。

グラハムさんは「抹茶は他のカフェイン飲料と違って、鎮静効果や集中力をもたらし、抗酸化作用も高い。エネルギーをクリアにしてくれる。ニューヨーカーたちはとてもスマートだから、この街で成功するには単にワーカホリックになるだけじゃなくて、健康的なライフスタイルこそが重要ってことをよく分かってるんだ」と言います。

ここの抹茶は茶筅でなく、ミルクシェイクを作る電動マシーンで攪拌するという手法をとっているのが特徴。牛乳を混ぜた“Matchaccino”($4.35)やアーモンドミルクを使った“Vanilla Armond Latte”($4.6)といったミックスドリンク、“Matcha Macaroon”などスイーツも充実しています。

一方で、マンハッタンをベースに本格的な緑茶文化全般を発信しているのが「Ippodo Tea, New York」です。ここは京都の一保堂茶舗による海外初店舗で、昨年4月にオープンしました。
USA社の社長 狩野憲一さんによれば「ニューヨーク店でも抹茶をお求めになる方が日に日に増えている状況。特に海外では茶筅を使って抹茶を点てるということに抵抗感が低いとも感じます。日本の人にとっては意外なようですが、これは茶道という文化的所作を超え、抹茶と湯を混ぜ合わせるというのに効率的かつ、効果的という認識が進んでいるせいか、とも思います」とのこと。

ニューヨーク店では、カウンター越しにスタッフが抹茶を点てる様子を間近で見ることができるというのがコンセプトの内装になっています。さらにお客さんが気軽に参加できるお茶のワークショップも随時開催されており、抹茶はもちろん、緑茶全般に関する知識を深めることもできます。
ショップでは “ TO GO(お持ち帰り)”のメニューもあり、薄茶は$4.25、濃茶は$5.75ですが、もしもお客さん自らが点てたい、という場合は50¢割引といったサービスも行なっています。

これまで海外で抹茶はクッキーやアイスクリームなど飲むよりは食べる方から普及していきましたが、これについて狩野さんは「これは日本でコーヒーが普及していったときとよく似ています。日本でもコーヒー味のスイーツから一般化し、今では質の高いコーヒーが親しまれているように、抹茶も今、だんだんとグレードが高いもの、お茶会でも出せるような最高級のものまでが浸透してきています」ということです。

MatchaBar
93 Wythe Avenue, Brooklyn, NY
8:00AM-7:00PM (Mon-Fri), 10:00AM-7:00PM (Sat & Sun)
http://matchabarnyc.com

Ippodo Tea, New York
125 East 39th Street, New York, NY
11:00AM~7:00PM (Tue-Sun), 月曜定休
http://www.ippodo-tea.co.jp/en/shop/ny.html

Navigator
市川 暁子

フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。www.originalslope.com

美味しいピザを食べにブッシュウィックへ行こう。

哀しみのときもファッショナブルに、喪服の展覧会が開催。


FEATURED ARTICLES

Mar 2nd, 2017

ICON OF TRAD

Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。

サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...

Mar 9th, 2017

HOW TO

ジップアップ パーカ Vol.01

氷雪地帯で生活をしていたアラスカ先住民のイヌイット民族が、アザラシやトナカイなど、動物の皮革でフード付きの上着(アノラッ...

Oct 20th, 2016

HOW TO

ストライプ スーツ Vol.02

Vol.01のディテール解説に続き、Vol.02ではストライプスーツを着こなすスタイリングを提案。Vゾーンのアレンジで印象はぐっと変え...

Mar 2nd, 2016

ICON OF TRAD

Vol.39 女性がほんらい男物だったトレンチコートを着るとき

そもそも男性服であったトレンチコートは、どのようにして女性たちの間に浸透していったのだろうか?

Aug 25th, 2016

HOW TO

ネイビーブレザー Vol.01

アメリカントラディショナルファッションの代名詞ともいうべきネイビーブレザーは、日本では《紺ブレ》の愛称で親しまれている。...

Jan 12th, 2017

HOW TO

トレンチコート Vol.01

トレンチコートが生まれたのは第一次世界大戦下でのこと。イギリス軍が西部戦線での長い塹壕(=トレンチ)に耐えるために、悪天...


YOU MAY ALSO LIKE

Jun 29th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

ローワーイーストサイドの新しい映画館「メトログラフ」。

最近映画といえば、ネットの配信やレンタルが便利でなかなか映画館へ足を運ぶ機会が減ってきているかもしれません。東京でも80年...

Jun 15th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

地下鉄構内の新スポット「TURNSTYLE」。

最近、ニューヨークの地下鉄構内も続々と再開発が進んでいます。中でも話題となっているスポットは59St/Columbus Circle駅の地下...

May 25th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

テクノロジー時代におけるファッションの可能性。

メトロポリタン美術館の服飾部門であるコスチュームインスティテュートが企画する「Manus x Machina: Fashion in an Age of Techn...

May 11th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

ニューヨーカーのダイエット最新事情。

ニューヨークもこれから一気に夏に向かっていく季節です。だんだん薄着になっていくこの時期、ダイエットに関心が向く人も多いの...

Apr 27th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

グリーンポイントのカフェ「Bakeri」へ。

ブルックリンのウィリアムズバーグ地区を北上していくと「グリーンポイント」というエリアになります。今、この界隈もかなり開発...

Apr 13th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

メトロポリタン美術館の新館がオープン。

世界3大美術館のひとつに数えられるニューヨークのメトロポリタン美術館。その分館として近現代美術にフォーカスした「The Met B...