ブルックリンのウィリアムズバーグをさらに東へ行ったブッシュウィックという地区はもともと倉庫街でした。最近では若手アーティストが製作の場所を求めて移り住んだり、アートギャラリーや古着屋が出来たりと開発が進んでいるエリアです。このエリアのパイオニア的存在で、ニューヨークのベストピザとの呼び声も高いピッツェリア「ロベルタズ」がオープンしたのは2008年のことです。
グラフィティがたくさん描かれた、今でもちょっと殺風景な場所にぽつんとある店の外観は、正直、掘たて小屋のように簡素なものです。昔はガレージだった場所だそうですが、ここが今人気のピッツェリアだとは、ドアの上に掲げた赤い看板がない限りは分からないでしょう。
オーナーは元々ミュージシャンだったふたりです。レストランの内装も自分たちで手がけ、裏庭にはトマトやバジルなどのハーブが植わった畑もあって、収穫された野菜も料理に使われています。それ以外に、ポッドキャスト経由で配信されるフードラジオなども放送していて、この場所から食にまつわるライフスタイルを発信する、という姿勢もユニークです。
ピザはレンガ造りの釜で木炭を使って焼き上げられる、もっちりしたナポリ風の生地が特徴。ほか旬の野菜のサラダや自家製のパンを使ったサンドイッチなどのメニューも充実しています。マンハッタンからは少し離れた場所にありますが、連日大賑わいの様子。
最近ではレシピ本を出したり、フードトラックでマンハッタンに出張したりもしているようです。でも、やはり発祥の地でもあるこの場所で、レストランのポジティブな活気を感じながら食べる、というのは価値あることなのではないかと思います。
Roberta’s
261 Moore St. Brooklyn, NY
T: 718-417-1118
11:00~24:00 (Mon-Fri), 10:00AM-14:00 (Sat & Sun)
http://www.robertaspizza.com