皆さんは何本ジーンズを持っていらっしゃいますか? 少し大きめの501のクラシックなストレート、ハイウェストのストレッチデニム、ダメージ加工されたボーイフレンドタイプなどなど……シルエットやウォッシュの度合い、ウェストラインやストレッチ性の有無など、その日の気分やスタイルに応じてジーンズを変える、というのは皆さんも日常的にされていることなのではないでしょうか?
定番的なデニムのほか、毎年のように発表されるデザイナーデニムのトレンドも気になります。きっと誰もが究極の1本、を探し続けているのが理由なのかもしれません。ニューヨーク発のプレミアムジーンズブランドである「3×1」(スリーバイワン)の創始者、スコット・モリソンさんもそんな熱い思いを持ったデニムラバーのようです。
彼は学生時代からプロゴルファーとしてトレーニングを続けていましたが、その後、デニム好きが高じて転職、1999年「Paper Denim & Cloth(ペーパーデニム&クロス)」というブランドを立ち上げます。1本1本にシリアルナンバーを入れるアイディアなど、こだわりをもったジーンズが人気を博しました。その後、特に日本製のデニム生地を使った「An Earnest Cut & Sew(アーネスト・カット&ソー)」というブランドを2004年にスタートさせます。
そして2011年、モリソンさんが最もパーソナルなこだわりを凝縮させたブランドとして「3×1」を発表しました。デニム生地はアメリカはもちろん、日本やイタリアなどで生産されたセルヴィッジデニムを使用。セルヴィッジデニムとは、旧式の力織機で織ったデニムのことで、生地の端に「耳」と呼ばれるパーツがあるのが特徴です。最新式の織機で作られたデニムは表面が均一なのに対し、セルヴィッジデニムは生地自体にムラがあり、履きこんでいくと独特の色落ちや風合いを生みだします。
さらに、ソーホーにオープンしたフラッグシップショップには世界中から集められた約500種類のデニム生地があり、カスタムメイドのジーンズを作ることが可能です。生地はオリジナルで開発した生地のほか、デッドストックのヴィンテージデニム、日本のクラボウが作った生地もあります。カスタムに関しては生地や縫い糸、リベットなどのディティールが細かくオーダーでき、価格は$525から。さらにモリソンさん自らが採寸して、パターンから制作するビスポークのジーンズになると$1200からだそうです。
地下には24人の専任スタッフがいて、パターンメイキングから縫製までを行なっています。そして最終の検品はヘッドデザイナー自らが行なうのだとか。まさにデニムラバーにとってはオートクチュール並みにフィットする、あなただけの究極の一本がつくれるという夢のようなショップ、といえるでしょう。
3×1
15 Mercer Street, New York
T: 212-391-6969
11:00~19:00 ( Mon~Sat), 12:00~18:00 (Sun)
http://3×1.us