HELLO! FROM NEW YORK

究極のジーンズを作れる店「3×1」。


Jul 29th, 2015

edit_akiko ichikawa

皆さんは何本ジーンズを持っていらっしゃいますか? 少し大きめの501のクラシックなストレート、ハイウェストのストレッチデニム、ダメージ加工されたボーイフレンドタイプなどなど……シルエットやウォッシュの度合い、ウェストラインやストレッチ性の有無など、その日の気分やスタイルに応じてジーンズを変える、というのは皆さんも日常的にされていることなのではないでしょうか?

皆さんは何本ジーンズを持っていらっしゃいますか? 少し大きめの501のクラシックなストレート、ハイウェストのストレッチデニム、ダメージ加工されたボーイフレンドタイプなどなど……シルエットやウォッシュの度合い、ウェストラインやストレッチ性の有無など、その日の気分やスタイルに応じてジーンズを変える、というのは皆さんも日常的にされていることなのではないでしょうか?

定番的なデニムのほか、毎年のように発表されるデザイナーデニムのトレンドも気になります。きっと誰もが究極の1本、を探し続けているのが理由なのかもしれません。ニューヨーク発のプレミアムジーンズブランドである「3×1」(スリーバイワン)の創始者、スコット・モリソンさんもそんな熱い思いを持ったデニムラバーのようです。

彼は学生時代からプロゴルファーとしてトレーニングを続けていましたが、その後、デニム好きが高じて転職、1999年「Paper Denim & Cloth(ペーパーデニム&クロス)」というブランドを立ち上げます。1本1本にシリアルナンバーを入れるアイディアなど、こだわりをもったジーンズが人気を博しました。その後、特に日本製のデニム生地を使った「An Earnest Cut & Sew(アーネスト・カット&ソー)」というブランドを2004年にスタートさせます。

そして2011年、モリソンさんが最もパーソナルなこだわりを凝縮させたブランドとして「3×1」を発表しました。デニム生地はアメリカはもちろん、日本やイタリアなどで生産されたセルヴィッジデニムを使用。セルヴィッジデニムとは、旧式の力織機で織ったデニムのことで、生地の端に「耳」と呼ばれるパーツがあるのが特徴です。最新式の織機で作られたデニムは表面が均一なのに対し、セルヴィッジデニムは生地自体にムラがあり、履きこんでいくと独特の色落ちや風合いを生みだします。

さらに、ソーホーにオープンしたフラッグシップショップには世界中から集められた約500種類のデニム生地があり、カスタムメイドのジーンズを作ることが可能です。生地はオリジナルで開発した生地のほか、デッドストックのヴィンテージデニム、日本のクラボウが作った生地もあります。カスタムに関しては生地や縫い糸、リベットなどのディティールが細かくオーダーでき、価格は$525から。さらにモリソンさん自らが採寸して、パターンから制作するビスポークのジーンズになると$1200からだそうです。

地下には24人の専任スタッフがいて、パターンメイキングから縫製までを行なっています。そして最終の検品はヘッドデザイナー自らが行なうのだとか。まさにデニムラバーにとってはオートクチュール並みにフィットする、あなただけの究極の一本がつくれるという夢のようなショップ、といえるでしょう。

3×1
15 Mercer Street, New York
T: 212-391-6969
11:00~19:00 ( Mon~Sat), 12:00~18:00 (Sun)
http://3×1.us

Navigator
市川 暁子

フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。
www.originalslope.com

日本の藍染め文化をブルックリンから発信。

チェルシーに出来たカクテルバー「ポーチライト」。


FEATURED ARTICLES

Mar 2nd, 2017

ICON OF TRAD

Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。

サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...

Mar 9th, 2017

HOW TO

ジップアップ パーカ Vol.01

氷雪地帯で生活をしていたアラスカ先住民のイヌイット民族が、アザラシやトナカイなど、動物の皮革でフード付きの上着(アノラッ...

Oct 20th, 2016

HOW TO

ストライプ スーツ Vol.02

Vol.01のディテール解説に続き、Vol.02ではストライプスーツを着こなすスタイリングを提案。Vゾーンのアレンジで印象はぐっと変え...

Mar 2nd, 2016

ICON OF TRAD

Vol.39 女性がほんらい男物だったトレンチコートを着るとき

そもそも男性服であったトレンチコートは、どのようにして女性たちの間に浸透していったのだろうか?

Aug 25th, 2016

HOW TO

ネイビーブレザー Vol.01

アメリカントラディショナルファッションの代名詞ともいうべきネイビーブレザーは、日本では《紺ブレ》の愛称で親しまれている。...

Jan 12th, 2017

HOW TO

トレンチコート Vol.01

トレンチコートが生まれたのは第一次世界大戦下でのこと。イギリス軍が西部戦線での長い塹壕(=トレンチ)に耐えるために、悪天...


YOU MAY ALSO LIKE

Jun 29th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

ローワーイーストサイドの新しい映画館「メトログラフ」。

最近映画といえば、ネットの配信やレンタルが便利でなかなか映画館へ足を運ぶ機会が減ってきているかもしれません。東京でも80年...

Jun 15th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

地下鉄構内の新スポット「TURNSTYLE」。

最近、ニューヨークの地下鉄構内も続々と再開発が進んでいます。中でも話題となっているスポットは59St/Columbus Circle駅の地下...

May 25th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

テクノロジー時代におけるファッションの可能性。

メトロポリタン美術館の服飾部門であるコスチュームインスティテュートが企画する「Manus x Machina: Fashion in an Age of Techn...

May 11th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

ニューヨーカーのダイエット最新事情。

ニューヨークもこれから一気に夏に向かっていく季節です。だんだん薄着になっていくこの時期、ダイエットに関心が向く人も多いの...

Apr 27th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

グリーンポイントのカフェ「Bakeri」へ。

ブルックリンのウィリアムズバーグ地区を北上していくと「グリーンポイント」というエリアになります。今、この界隈もかなり開発...

Apr 13th, 2016

HELLO! FROM NEW YORK

メトロポリタン美術館の新館がオープン。

世界3大美術館のひとつに数えられるニューヨークのメトロポリタン美術館。その分館として近現代美術にフォーカスした「The Met B...