旅に出たら、やっぱりご当地グルメを食べたい! でもニューヨークの名物料理といってもなかなか探すのが難しいのです。そんな中で、最近人気復活しているのがベーグルです。ご存知かと思いますが、ベーグルはポーランド発祥のパンといわれ、世界でもジューイッシュの多い地域でポピュラーな食べ物です。ニューヨークはポーランド移民、そしてジューイッシュも多い街なので、特に朝食のメニューとして長く親しまれてきました。
特に今年は新しいベーグルショップのあたり年です。ニューヨークのレストランシーンはここ数年懐古志向にあり、メニューもそして内装もトラディショナルでレトロなものをブラッシュアップするところが多いようですが、ベーグルの復活もこの流れといえるでしょう。今回はダウンタウンに今年オープンした3軒のベーグルショップをご紹介します。
中でも一番スタイリッシュといえるのが「Black Seed」。まずベーグルのサイズからして小ぶりです。通常は赤ちゃんの頭ぐらいあるんじゃないか? というくらいのサイズ感ですが、ここのベーグルはドーナッツサイズ。女性など(特に日本の…)には、通常のベーグルサンドはけっこう量が多すぎる、かもしれないのですが、ここのサイズ感はそういった意味では適量、まさにファッショニスタサイズ、といっていいかもしれません。逆に男性にはちょっと物足りないかも?
この店のオーナーは「Miles End Deli」と「The Smiles」という人気カフェをやっている人たちで、サンドイッチの具もなかなか考えられ、見た目も美しいのです。こちらはLox (クリームチーズにスモークサーモンの欠片が入ったもの)とラディッシュ、スプラウツのサンドイッチで$7。プレーンのベーグルはひとつ$1.5です。
「Baz Bagel & Restaurant」は昔ながらのベーグルとジューイッシュメニューを出すというコンセプトです。アッパーウェストサイドで約1世紀もの間親しまれて来た「Barney Greengrass」というジューイッシュデリで働いていた男性と長年そのデリのファンだった、という女性のふたりがオーナー。もっちりとして噛みごたえのあるベーグルは、昔ながらの製法でつくられているとか。
定番のスモークサーモン&クリームチーズのサンドイッチも、ライ麦でつくられた真っ黒なPumpernickelベーグルをチョイスすると目新しい感じです。お値段はピクルスとサイドディッシュ(ポテトサラダやマカロニサラダなど)もついて$10。ちなみに大きさはいわゆる普通のベーグルサイズで、プレーンの価格は$1.25。
今年創立100周年となる「Russ & Daughters」はローワーイーストサイドにあるジューイッシュ系の食材店で、スモークサーモンやキャビアなどのセレクションで有名ですが、この記念すべき年にその名も「Russ & Daughters Café」をオープンしました。ここでもさまざまなベーグルサンドイッチを楽しむことができますが、この日、私がいただいたのはSHTETL というメニューで、スモークされた銀鱈とヤギのクリームチーズに、トマト、オニオン、ケッパーが添えられた一品。ベーグル自体はブルックリンの「Bagel Hole」というお店のもので、お値段は$18とちょっと高めです。でもここのスモークドフィッシュはやっぱり美味しい! ちょっと奮発して食べてみる価値はあり、とっておきのブランチ体験になることは間違いないでしょう。
以上、どのお店もロウワ―マンハッタンにあるのが特徴でもあります。この辺りには19世紀後半から移民が住み始めた、ニューヨークで最も古い住宅街のひとつですが、今続々とできているベーグルショップは移民の第4世代といったオーナーたちによるものです。ベーグルはニューヨーク移民たちにとっては“おふくろの味”。今、若い世代によって新たなブームがつくられているわけです。
Black Seed
170 Elizabeth Street, New York, NY
Tel: 212-730-1950
7:00-16:00
http://www.blackseedbagels.com
Baz Bagel & Restaurant
181 Grand Street, New York, NY
Tel: 212-335-0609
7:00-16:00 (Mon- Sat), 8:00-16:00 (Sun)
http://www.bazbagel.com
Russ & Daughters Café
127 Orchard Street, New York, NY
Tel: 212-475-4881
8:00-22:00 火曜定休
http://russanddaughterscafe.com