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HELLO! FROM NEW YORK
伝説のジュエラー、JARをご存知ですか? 今、メトロポリタン美術館では彼が70年代から製作した400点以上もの作品を展示する回顧展「Jewels by JAR」が開催されています。
人生とはよく花に例えられますが、花モチーフのジュエリーがJARのデザイナー、ジョエル A. ローゼンタールのシグニチャーでした。蕾から開花、満開、そして散るまで。花の美しさとは満開のときだけにあるのではなく蕾や散り際にもあるということをジュエリーが改めて教えてくれるようです。
ローゼンタールはNYのブロンクス生まれ。子どものころからマンハッタンの美術館に行くのが好きで、アートやヒストリーに関しての造詣を深めていきました。そして学校を卒業し、1966年にパリに渡ります。1973年に小さなショップを開きますが上手くいかず、一旦NYに戻り、なんとブルガリに渡ります。
しかしパリへの夢を捨てられず、再び渡仏。努力の甲斐もあり、その後は少しずつ人気が広がり1978年にはヴァンドーム広場にお店を開きました。1980年代の華やかなパリに、彼の創る華やかなジュエリーはとても似合っていたようです。彼の特徴でもある「Play with stones」の精神でデザインされた作品はどれもが一点もの。植物や動物、神話などさまざまなモチーフを、ありとあらゆる素材を駆使しながら丹念に仕上げられています。
ジュエリーとは女性の人生に寄り添うように存在しているものだと思います。結婚や婚約、入学や卒業、そして毎年の誕生日など人生の節目や記念として贈ったり贈られたりするジュエリー。人が身につけることによって輝きを増し、またその人のストーリーが刻まれていくのでしょう。
昨年夏よりメトロポリタン美術館は定休日がなくなりました(元旦と感謝祭、クリスマスの3日間のみがお休みです)。特に金曜日と土曜日は夜の9時まで開館しているので、夜の美術鑑賞というのもおすすめです。ミュージアム内のカフェでアペリティフを飲みつつジュエリーやアートを楽しむ夜、というのもなかなか素敵です。
Jewels by JAR (3月9日まで開催)
The Metropolitan Museum of Art
1000 Fifth Avenue, New York
Tel: 212-535-7710
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市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。www.originalslope.com
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