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HELLO! FROM NEW YORK
カルバンクラインなど、多くのデザイナーを輩出しているNYのファッション工科大学内にあるFIT 美術館にて、ゲイやレズビアンなどの服飾史をひも解く「A Queer History of Fashion」が始まりました。 キュレーターのヴァレリー・スティール博士によれば「2011年、NY 州で同性婚が認可されたころから企画された展覧会で、このテーマの展覧会としては史上最大規模」とのこと。
展示は時系列でまとめられ、古くは18世紀のメンズライクな女性用のスーツから、ベルサーチやアレキサンダー・マックイーンなど現代の作品まで約100点が並べられています。中には男装の麗人として知られた女優マレーネ・ディートリッヒの衣装や、ゲイであることが知られるアンディ・ウォーホルが着用したスーツなど有名人の私物があるのも見どころです。
ほか、性差別反対やエイズ撲滅運動などのためにつくられたTシャツなどもありました。アメリカはもとより、世界各地で同性婚の是非が話題になっている昨今、アートや映画界、そしてファッション業界ではゲイが多数派。彼らの繊細かつ豊かなイマジネーションこそが、服飾をより楽しく、クリエイティブなものにしていることは間違いないと思います。
展覧会の最後には現CFDA(アメリカファッション協議会)のCEOであるスティーブン・コーブが昨年パートナーであるジェイ・インクペンと結婚したときのスーツ(ラグ&ボーンとJ .クルー)も展示されていました。個人的な意見ではありますが、表現の自由とは、それを生み出す人権やライフスタイルの自由も保障されることによって成立する、と考えます。
これまでマイノリティであり続けて来た彼らの服飾史を見直すことで、ファッションと社会の関わり方も見えて来る、そんな意義深い展覧会でした。
A Queer History of Fashion : From the Closet to the Catwalk (2014年1月4日まで)
Museum at FIT
227 W 27th St, New York, NY 10001
Phone:(212) 217-7999
http://www.fitnyc.edu/13666.asp
Tue-Fri 12:00pm -8:00 pm
Saturday 10:00 am – 5:00 pm
Sun & Mon Closed
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市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。www.originalslope.com
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