ニューヨーカーが一番好きなおやつは何でしょうか？ クッキーにドーナッツ、アイスクリームにチョコレート……、でもなんといっても最強のおやつといえばやっぱりカップケーキなのではないでしょうか？

甘くてとろりとしたカラフルなクリームをまるでお帽子のように載せたその姿は、女の子はもちろん、男の子たちも夢中にさせる可愛さです。そういえば人気TVドラマシリーズの「SEX and the CITY」の主人公たちが、ストリートでほおばっていた「マグノリアベーカリー」のカップケーキは瞬く間に大人気となり、今も店の前にはいつも行列ができているほどです。

ただ、このカップケーキ、日本人の味覚には甘すぎるということが少なからずあるような気がします。しかし最近では、ニューヨーカーのヘルシー嗜好に合わせて、カップケーキもさまざまに進化してきているようです。

例えば「Baked by Melissa」はケーキのサイズをぐんと小さくして一口サイズにしました。価格も3つで3ドルと、普通サイズのカップケーキの1個分です。サイズが小さければ、色んな風味を少しずつ楽しむことができて一挙両得です。私はパーティー用にここで100個入りのケースをオーダーしたことがありますが、カラフルなミニケーキたちは、箱をあけた瞬間からその場を賑やかにしてくれました。

ワシントンD.C.のジョージタウンからやってきたその名も「Georgetown Cupcake」は素材にこだわっています。マダガスカル産のバニラエッセンスやフランス製のチョコレート、季節のフルーツなどなど……。甘さも程よく、バタークリームのなめらかさも群を抜いています。そして日替わりのフレーバーや、毎月のスペシャルフレーバーが用意されているので、何度でもリピートしたくなるというのも上手なマーケティングだと感じます。

ほかにも新興のカップケーキ屋さんは続々オープンしていますが、私が一番好きなのはその名も「Cupcake Café」です。ここは1988年創業でカップケーキ屋さんの中では老舗といっていいお店ですが、そのフラワーモチーフのデコレーションが抜群に愛らしいのです。バラやマーガレット、すみれなど色とりどりの花をかたどったデコレーションはまるで花束のように華やか。クリームやケーキのフレーバーも昔ながらのセレクションで、これぞ古き良きアメリカのカップケーキ、といったラインナップも王道です（そして甘さも控えめだと思います）。加えて、ここはデコレーションケーキのスペシャルオーダーもできるので、私は何回もここで誕生会のケーキを注文しました。

日本人には甘すぎるものも多いので、なかなか日本には上陸しないカップケーキですが、最近ではアメリカ人だけでなく、私たちの口にも美味しくいただけるものがますます増えているようです。