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HELLO! FROM NEW YORK
NYのロングアイランドにある古い学校のビルを利用した美術施設、MoMA PS1。ここはアメリカで最も古い現代美術のNPOのひとつです。創立は1971年で、2000年にMoMAの関連施設になりました。ちなみにPSとはPublic Schoolの略です。
MoMA PS1の夏の風物詩ともいえるのが学校の”校庭”を利用した「Warm Up」とよばれる屋外パーティです。
パーティ会場のデザインは毎年、若手建築家を募ってコンペを行なって決めています。今年はNYの中部に位置する街イサカを拠点とする建築事務所CODAの案が採用されました。その名も「Party Wall」と命名された校庭のランドスケープ案は、中央にスケートボードを組み合わせた巨大な壁が建てられています。
スケートボードは同じくイサカに拠点を置くComet 社製のもので、エコフレンドリーな素材でできているのが特徴。同じボードに脚をつけたベンチもたくさん設置され、来場者は思い思いの場所にボード型ベンチを動かして座ることができます。
壁の中には足湯のような浅いプールがあったり(中に入っているのは水です)、冷たいミストシャワーのコーナーがあったりします。手前にはプールもあり、子どもたちは水着を着て遊んでいます。会場にはビールなどの飲み物やスナックを売る屋台もあり、さながら校庭に出現した都会のビーチ、といった感じです。
そしてお目当ては午後3時から始まるライブです。毎週さまざまなDJやバンドがプレイし、夜9時まで賑わいは続きます。最初は遠慮がちに踊っていた人も、日が暮れるころには音楽に酔いしれるダンサーたちで満員になっていきます。
そうそう、ライブパーティももちろんですが”校舎”の中のアート鑑賞もお忘れなく。外の暑さにやられそうになったら、オラファー・エリアソンの「Your Waste of Time」の部屋を訪れるのをおすすめします。室内にはアイスランド最大の氷河から運ばれた、約800年前(紀元1200年代)の巨大な氷が設置されています。
他にも、各”教室”にはその空間ごとにさまざまな作品が陳列されていて、いつも来場者を楽しませてくれています。
アートと音楽の両方が楽しめるWarm Upは9月7日まで、毎週土曜日に開催されています。
MoMA PS1
22-25 Jackson Avenue, Long Island City, New York
http://www.momaps1.org/warmup/
NAVIGATOR
市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。www.originalslope.com
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